日本初のAR連動型新聞広告で メッセージを全ステークホルダーへ
初めてのAR連動型 初めての全15段新聞広告
住友商事は2009年11月16日付日本経済新聞朝刊に、日本初となるAR(拡張現実)技術連動型新聞広告「情熱、コツコツ。」を出稿しました。専用のウェブサイトにアクセスし、紙面の一部に印刷されたマーカーをパソコンのウェブカメラにかざすと、手のひらの上に地球が浮かび上がる仕組みです。地球上には世界各国の拠点やプロジェクトを実施した場所がマッピングされ、現地で働く住友商事の社員たちのメッセージや写真、動画を閲覧できるようになっています。
当社が全15段の新聞広告を単独で出稿したのは、実は今回が初めてのこと。他メディアでもこれまでほとんど出稿した経験がなかったこともあり、効果への大きな期待がありました。そんな中、少ない掲載回数で脚光を浴びるようにと考えたのが、今回の新しい技術「AR」の採用でした。
新技術を楽しませながらウェブへ誘導
出稿の目的は、まずはウェブサイトに誘導すること。それは、総合商社という業態を、数回の広告のみで理解していただくことは難しいと考えたからです。09年3月に自社サイトのリニューアルを行い、コンテンツ強化を進めてきた経緯もあり、できるだけウェブサイトを通じたコミュニケーションを心がけました。
ウェブサイトへの誘導という点では、サイトのURLやQRコードを広告紙面に掲載する手法がありますが、それだけでは十分な誘導は図れないと考えたところ、新技術を楽しんでもらい自社に対する理解を深めてもらおうという発想が生まれました。
ターゲットとしては、当社の社員を含めたすべてのステークホルダーに向けた企画と位置付けました。特に、社員には「どこよりも先に新たな企画を手がける考え方も持っている会社なんだ」という意識を持ってもらい、社内モチベーションの向上につなげたいという思いがありました。
出稿時期は09年内に集中させ(全3回)、広告効果を増幅させると同時に、新卒採用の時期にも合致させることも意識しました。
「日本初」であることへのチャレンジを決断
この企画に参加するにはウェブカメラが必要で、さらにマーカーをカメラにかざさなければならないなど、通常のウェブサイトより制約が多くあります。企画実施にあたって、何人が実際に見てくれるのだろうと、実施の是非が議題に挙がりましたが、あえて実施に踏み切りました。もう少したてば技術も進歩し、より多くの人が楽しむコンテンツになるのかも知れませんが、それは日本初の連動企画として注目を集めるか、コンテンツの表現技術が高まるのを待つかのどちらかを選択する必要があり、前者を選びました。
結果、ニュースリリースとしてこの記事を配信し、他のウェブコンテンツとも連動させるなど、3回の新聞出稿を最大限に活用できました。
新聞広告を見た読者からの生の声として、「『コツコツ』という言葉に関心を持った。企業は何事にも足元を一歩ずつ固めていくことが大事です。」とコメントを頂きました。新しい技術やトレンドを活用した表現も大事ですが、広告自体が発するメッセージに思いを込めて制作することが重要だと再認識できました。
今後も、広告に情熱を込めて、多くの人に興味と感動を持ってもらえるような広告表現にチャレンジしたいと思います。
(広報部制作チーム 鈴木 洋平)