コピーの工夫でビジュアルにインパクト
西武ライオンズでチームメートであった松井稼頭央、松坂大輔の両選手が、海を渡りワールドシリーズという大舞台で対峙(たいじ)する。ワールドシリーズ出場という快挙を祝福すると同時に、両ナイキアスリートを通してブランドメッセージを伝えるベストなタイミングであると考え、今回の広告(カット)を企画しました。
ワールドシリーズで日本人選手が対決することは、日本人にとって非常に誇らしいことなので、勝敗に関係なく二人を同様にたたえるメッセージになるよう心がけるとともに、新聞紙上には文字や写真が多いので、中に埋もれず読者が目をとめてくれるよう、あらゆる面でインパクトを出すことに気をつけました。2人の顔写真を配したビジュアルに、さまざまな大きさやフォントの文字を使い内容をよりエモーショナル(そこに込められた感情の部分も)に表現したコピー。あえて横組みのレイアウトにすることで、よい意味での違和感を出し、読者の興味を引くよう試みました。
読者にメッセージを届ける際は、誰に何を伝えたいのかをいつも明確にし、クリエーティブ全体から伝わるメッセージにナイキらしい姿勢が現れているかどうかを一番大切にしています。また、メッセージを伝えたいターゲットの内面を知ることもとても大切だと考えています。特に今回のようなブランド広告の場合、「JUST DO IT(とにかくやってみよう!)」というナイキのブランドボイスを通して、読者の気持ちを強く動かすクリエーティブをいかに作ることが出来るか、いつも試行錯誤しています。今回は、両選手の快挙を賞賛するというのはもちろんのこと、松井選手、松坂選手らに代表される世界で活躍するトッププレーヤーたちが、大舞台で発揮する“Enjoy the pressure”(プレッシャーを楽しむ)という姿勢を読者に伝えることにより、勇気や共感を与えたいと思いました。
今回の“Enjoy the pressure”「プレッシャーは、それに立ち向かうとともに、楽しむ、ということがより上のレベルにあがっていく道だ」というメッセージは、野球ファンの読者はもちろん、野球ファン以外の人にも広く受け入れられるものだと考えています。野球ファンの声としては、「自分はプレッシャーを楽しんでいなかったけど、このような考え方を持ってみたい」「とてもやる気になった」「今すぐに外に出てプレーしたくなった」など、とてもポジティブな意見が多くよせられました。そして、野球ファン以外の方々も同様に共感してくれたようです。日々の生活でストレスやプレッシャーを受けている方々が、このコピーを読んで「これからもがんばろう」と思ってくれたことが、個人ブログに書き込まれていました。
我々が発したメッセージが、スポーツという分野を超えて広く共感を呼んだことが、今回の広告を出稿して最も良かった点だと思っています。そして、今後もスポーツを通して世界中の人々を鼓舞する「JUST DO IT」というメッセージを伝えていきたいと思っています。
(マーケティング本部PRマネージャー 竹澤 崇)