LIVE福島 風とロックSUPER野馬追
福島民報社
3月11日の東日本大震災による津波、原発事故、そして風評という被害を受ける福島県を音楽の力で元気にしよう─。「LIVE福島 風とロックSUPER野馬追」は、本県出身のクリエーティブ・ディレクター箭内道彦氏(風とロック)と弊社が9月に県内で開催したイベント。“FUKUSHIMA”としてその名を知られることになった福島の今を、そのまま世界に発信するため、広大な本県を9月14日から6日間、西から東に1日ずつ会場を変えながら開催した野外ロックフェスである。イベント名は県内を横断していくこのロックフェスを、相馬地方の伝統行事で国の重要無形民俗文化財の「相馬野馬追」で野馬が力強く駆け抜ける様になぞらえて、相馬野馬追執行委員会の快諾を得てその名を冠した。
“NOTHING BEATS FUKUSHIMA, DOES IT?”(福島はどんなことがあってもくじけないぜ)。のスローガンの下、本県出身の西田敏行さん、猪苗代湖ズ、サンボマスターをはじめ、福山雅治さん、斉藤和義さん、RIP SLYME、長澤まさみさんなど県内外から31組のアーティストが趣旨に賛同し参加した。観客総動員数は約2万2400人(写真①)、インタラクティブメディアパートナーとして賛同いただいたGoogleの協力によりユーチューブライブで全世界に配信を行い、総視聴数約191万回を記録した。賛同社としてゼビオ、アサヒビール、サントリー、ダンロップ、日産自動車、ニラクが協賛。
新聞展開としては、事前にイベント告知を兼ねた猪苗代湖ズの対談特集1ページを3回、イベント当日に会場でプログラムとしても配った開幕特集4ページ、事後にイベント再録特集を4ページ掲載。前述の特集の広告主は、スポーツ専門店を全国展開しているゼビオ(本社・福島県郡山市)。同社と箭内氏が商品開発し、アディダスなどの国内外のスポーツメーカーとコラボしたTシャツ、ジャージ、キャップ、スニーカー、タオル、ストラップなど20種類以上のイベントグッズを製作・販売。その商品告知を新聞広告で展開した。
また、対談特集掲載のタイミングに合わせ、ゼビオの店舗にイベントグッズコーナーを特設し販売を開始。イベント前に3回の告知を行い、その都度新しいグッズを追加発売した。その商品力と話題性で特設コーナーは大盛況だった。イベントグッズは当日その会場でしか購入することが出来ないことが通例だが、事前にゼビオ店舗でグッズ販売することで、イベントへの期待感・関心を高め、更にグッズも売れるという相乗効果を生むことに成功した。イベント当日の販売も在庫がなくなるほどの人気だった(写真②)。終了後も反響が大きく、当日参加出来なかった人のために現在も、ゼビオ店舗・ウエブショップで継続販売している。
さらに、ふくしま賛同社で、東日本エリアでパチンコ店、ホテル業などを展開するニラク(本社・同県郡山市)との共同企画として、会場内にメッセージ・ボードを設置(写真③)。参加した県内外の人たちの“生の声”を集め、後日30段見開きカラーの紙面で紹介し、大反響を得た。
次の展開としては「風とロックSUPER野馬追」写真展を企画中。
今回の事業と新聞展開を通じて、企業と県民(読者)を結びつけ、復興という一つの共通目標に向かって指針を示すことが出来たのは、新聞社の役割として非常に意義深いものだったと思う。今後はこのイベントを一過性のものにすることなく、来年度以降につなげていきながら、必ずや震災前より素晴らしい福島になることを目指していきたい。“NOTHING BEATS FUKUSHIMA, DOES IT?”
(郡山本社営業部長 沢井正樹)