河北新報×定禅寺 ストリートジャズフェスティバル
河北新報社
新聞広告
ライブの様子
ライブでの来場者の様子
東北放送ラジオ
今回で21回目を迎えた仙台の秋の風物詩、定禅寺ストリートジャズフェスティバル。仙台市中心部に約50のステージを作り、二日間、街が音楽一色になる。約1200組が応募し、選ばれた約700組が演奏できる一大イベントである。
震災の影響で宮城県内のイベントが軒並み中止になる中で、同イベントも開催が危ぶまれたものの、震災から半年の節目である9月10、11日に開催することが決まった。
前回から同イベントで広告主がブース展開を実施できるように企画。今回は開催決定後、正直なところ企画担当者として紙面やイベントを展開することに二の足を踏んだ。地元メディアの社員でありながら、震災時もその後も東京にいた私としては、地元の方々の心境を図りかねていたからである。同イベントで当社が企画を実施することで、果たして本当に地元の方々に喜んでいただけるのかどうかが不安だった。事実、音楽どころではないと考えている方々もたくさんいたと思う。でもその一方で、震災から日が経つにつれ、地元の方に少しでも喜んでいただける仕事ができないかと強く思い、毎日模索していたのも事実である。
実行委員会を始め地元の方々と何度も話し合い「震災のことを考慮しながらも、あくまで音楽を楽しむイベント」として協力しあうことを決めた。
具体的な展開として、当社がひとつのステージを借りて「宮城応援ライブ」を企画した。宮城県出身のアーティストたちや、津波で楽器を流されてしまった小学生ジャズバンドによる演奏で、音楽を通して少しでも宮城県を元気にしようと考えたのだ。そしてステージ周辺に広告主の販促ブースを設けた。
広告主へのセールス時に「このタイミングで販促活動を実施しても問題がないか」と不安な声も上がったが、それ以上に「音楽で宮城を元気にしよう」というアクションに、昨年以上の広告主から賛同、協賛をいただいた。
告知の展開としては、クリエーティブの方々と紙面のデザインを何度もやり取りをして、これから上向きに復興していく宮城県と、フェイスブックの「いいね!」ボタンをイメージした柔らかいデザインに。イベント開催直前に朝刊別刷り4ページで告知した。また、紙面だけではなく他メディアとも連動した。当社で運営しているソーシャル・ネットワーキング・サービスのツイッター、フェイスブックで告知をしたり、当日会場からラジオで中継告知をしたりと幅広く展開。イベントの1週間後には、当日会場に来られなかった方々に少しでも思いが届けばと、ラジオの30分番組で宮城応援ライブの様子を放送した。
当日はイベント全体としても過去最高の79万人の動員となり、当社が宮城応援ライブを実施した会場も例年の倍以上の来場があり、街に活気があふれた。
出演アーティストが歌う童謡「ふるさと」に涙しながら聴いている方々や、元気に演奏してくれる子どもたちの姿を見て、この企画を実施できて本当に良かったと思った。
支援をしたいと考えている広告主と地元の方々やイベントを結びつけることこそが、地方メディアの役割であると強く感じた。
今回の取り組みに関してご協力いただいた全ての皆様に、この場をお借りして感謝申し上げたい。
(東京支社営業部 八重嶋拓也)