新聞広告賞

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 日本新聞協会は9月2日、第29回「新聞広告賞」の受賞者を発表ました。
 同賞は、新しい新聞広告の可能性を開拓した広告活動を顕彰し、新聞と広告の発展に資することを目的に、1981年に設けられたもので、広告主企画と新聞社企画の2部門から成り、新聞紙上で優れた広告活動を展開し、顕著な功績をあげた広告人、新聞人に対し贈られます。
 同賞の贈賞は、10月20日(火)、東京・芝公園の東京プリンスホテルで開かれる第52回「新聞広告の日」記念式典で行われ、受賞者には賞状および故・高田博厚氏制作のブロンズ記念像または賞牌が贈られます。
 今年(2009年)度は、広告主企画部門371件(単独広告主368件、複数広告主3件)、新聞社企画部門36件(単独企画35件、共同企画1件)の計407件の中から、別記10件の広告活動が「新聞広告賞」として入選しました。また、これとは別に、広告主企画部門について11件の優秀賞を、新聞社企画部門について7件の奨励賞を選定しました。本賞の選考は、7月17日開催の選考委員会(日本新聞協会広告委員会)で行われ、9月2日開催の日本新聞協会理事会で承認したものです。

[広告主企画部門]5作品(広告主名50音順、敬称略)

企業フィロソフィー・シリーズ広告
愛媛トヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 横田 英毅

【受賞理由】

 愛媛トヨタ自動車が2007年8月12日から掲載している「企業フィロソフィー・シリーズ広告」は、地域と共にある企業としての理念を訴えるシリーズ広告である。

 あえて車を前面に出さず、地域イベントへの参加や地元のボランティア活動をはじめとする社会貢献活動や、社員研修、人材育成など具体的な活動とそこに込められた思いを毎月1回地元紙に掲載し、読者の共感を呼んだ。新聞広告ならではのベーシックな手法ながら、文字の力を生かした説得力ある紙面構成で地域に根ざす企業姿勢への理解を育み、企業イメージ向上に貢献した広告として高く評価された。

ソーラー発電システム「太陽とシャープ」シリーズ
シャープ株式会社 代表取締役社長兼COO 片山 幹雄

【受賞理由】

 シャープが2008年7月7日から実施している「ソーラー発電システム『太陽とシャープ』シリーズ」は、半世紀にわたる同社のソーラー事業の実績、未来につながる取り組みを紹介することで同社の企業姿勢を効果的に訴求したシリーズ広告である。

 シリーズの開始時は、環境問題への意識が高まる好機となった洞爺湖サミット開催に合わせて5日間連続で広告を掲載するとともに、英字紙にも出稿して同社の企業姿勢を広く内外にアピールした。エネルギーの象徴として太陽をメーンビジュアルとした斬新かつ迫力あるクリエーティブ表現により、読者に大きなインパクトを与え、読者への訴求を高めるなど、「世界のソーラー・カンパニー」という新たなブランドイメージの構築に成功した広告として高く評価された。

エネルギーを、ステキに。
新日本石油株式会社 代表取締役社長 西尾 進路

【受賞理由】

 新日本石油が2008年6月7日から09年2月8日まで実施した「エネルギーを、ステキに。」は、新たな企業スローガンのもと、人間と自然が調和した豊かな社会の実現に向けた企業姿勢を訴求したシリーズ広告である。

 独自に開発したキャラクター「エネゴリくん」を通じ、クイズ形式の展開を盛り込むことで、「地球環境」「防災」「エネルギー」の各分野における同社の事業や取り組み、課題を分かりやすく解説した。雑報と全15段を組み合わせた巧みな広告展開と、テレビCMとも相乗させたキャンペーンにより、キャラクターは広く浸透し、同社の企業活動への理解促進に結び付けた広告として高く評価された。

パナソニック「ナノイー」搭載商品シリーズ
パナソニック株式会社 代表取締役社長 大坪 文雄

【受賞理由】

 パナソニックが2009年3月28日から31日まで掲載した「パナソニック『ナノイー』搭載商品シリーズ」は、同社独自のナノテクノロジーから生まれた水の微粒子イオン「ナノイー」の効果と商品の特性を効果的に訴求したシリーズ広告である。

 「ナノイー」が持つ「保鮮」「除菌・消臭」「美肌」効果を新聞紙が持つ特長や再利用方法に結び付けるという斬新でオリジナリティーある紙面構成で、冷蔵庫や洗濯乾燥機など多彩な商品ラインアップを4日間連続で紹介した。大胆かつユニークなビジュアルを配した高いクリエーティブ表現により、生活環境を快適にする同社の新技術の訴求に成功するとともに、商品の販売促進に貢献した広告として高く評価された。

Honda Green Machine
本田技研工業株式会社 代表取締役社長 伊東 孝紳

【受賞理由】

 本田技研工業が2008年10月4日から実施している「Honda Green Machine」は、安くて性能の良いハイブリッドカーの発売に向け、地球環境と車社会が共存する未来を目指す同社の思いを訴求したシリーズ広告である。

 スヌーピーをはじめ「ピーナッツ」のキャラクターを起用し、緑を基調とした効果的な配色と秀逸なコピーにより、女性や若年層など車に興味の薄い顧客層への訴求に成功した。大胆なメッセージとキャラクターの持つ普遍的な力で、読者の興味を喚起し、新発売するハイブリッドカー「インサイト」への期待感を生み出し、販売促進に大きく貢献した。同社の継続的な環境への取り組みを効果的に訴求するなど企業イメージの向上に成功した広告として高く評価された。

[広告主企画部門・優秀賞]10作品(広告主名50音順)

◇アサヒスーパードライ「うまい!を明日へ!」プロジェクト(アサヒビール株式会社)
◇「味の素冷凍食品 新・安心品質をあなたへ」キャンペーン(味の素冷凍食品株式会社)
◇ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ オリンパス(オリンパス株式会社)
◇クリスマスお父さん応援メッセージ――お家へ早く帰ろ!(株式会社学習研究社)
◇「おいしい記憶をつくりたい。」(キッコーマン株式会社)
◇北陸・角ハイボールの店(サントリービア&スピリッツ株式会社北陸支店)
◇企業広告+エリクシール プリオール(株式会社資生堂)
◇20年目のマルチ広告 ~Encounters 出会い~(株式会社宗家源吉兆庵)
◇日本の食と農業を、タネから考える。(タキイ種苗株式会社)
◇三菱重工 社員がつくるCSR広告(三菱重工業株式会社)
◇ルーツ飲んでゴー!新聞一面連動キャンペーン(日本たばこ産業株式会社・株式会社扶桑社)

[新聞社企画部門]5作品(会員名簿順、敬称略)

広告に、事件を。
読売新聞東京本社広告局 (代表=取締役広告担当 大月 曻)

【受賞理由】

 読売新聞東京本社が2008年12月29日から09年1月3日に実施した「広告に、事件を。」は、新聞の正月広告と、箱根駅伝中のテレビCMを連動させ、新聞広告の力を世の中に示した広告企画である。

 テレビCMで人気のあるキャラクターを起用した広告展開で読者の注意を喚起する一方、テレビでは実際に掲載された広告紙面を映し込んだCMを駅伝中継に合わせて放送し、1月1日付および3日付朝刊の新聞広告に誘導するなど、「新聞広告」を広告した。

 新聞とテレビをうまく組み合わせインパクトを与えるとともに、人気キャラクターを効果的に活用した発想力ある広告展開は、新聞媒体の可能性を大きく広げた企画として高く評価された。

第61回新聞大会記念広告特集「仮想・北海道独立宣言」
北海道新聞社広告局(代表=取締役広告局長 高橋 雅博)

【受賞理由】

 北海道新聞社が2008年10月11日から16日に実施した「第61回新聞大会記念広告特集『仮想・北海道独立宣言』」は、北海道の独立という仮説のもと、北海道の現状と行く末を問いかけた広告企画である。

 「北海道仮想独立」をテーマに、クラーク博士を首相とする内閣を立ち上げ、分野ごとに北海道にゆかりのある有識者が北海道の自立にあたっての問題点と今後のあり方を語るなど、ともすれば硬くなりがちなテーマを硬軟織り交ぜた大胆な構成とビジュアルで表現した。

 道州制が話題になる中、ユニークな着想と新聞社機能を活用した立体的な展開で幅広い層の読者の共感を得るなど、新聞広告の可能性を広げた企画として高く評価された。

みやぎ漫画の力
河北新報社営業本部(代表=常務取締役営業本部長 大島 孝夫)

【受賞理由】

 河北新報社が2008年11月29日から09年5月31日に実施した「みやぎ漫画の力」は、世界的に有名になった日本の漫画・アニメと宮城県のかかわりを探ることで、地域の活性化を目指したシリーズ企画である。

 著名な漫画家を多数輩出し、関連施設も多く持つ宮城県の特性を改めてアピールし、インタビューや県内の漫画にかかわるさまざまな活動を紹介、地域の産官学と連携し幅広い層に関心を与えた。

 漫画をテーマに地域づくりに結び付けた取り組みは、県内外から大きな反響を得るとともに、若年層に新聞をアピールすることに成功するなど、新聞の力を改めて示した企画として高く評価された。

空舞う、その日へ。
新潟日報社広告事業本部(代表=取締役広告事業・デジタル営業担当広告事業本部長 栗山 和広)

【受賞理由】

 新潟日報社が2008年5月28日から実施している「空舞う、その日へ。」は、朱鷺(トキ)の放鳥に向け、人と自然が共生する社会の実現と地球環境保護を訴えたシリーズ企画である。

 08年9月25日の試験放鳥に向け、県内外の関係者・著名人からのメッセージを掲載し、環境の大切さや人と自然が共生する意義を広く訴えるとともに、放鳥前日にはラッピング広告を展開、朱鷺の卵を連想させるデザインを表面に配した美しいビジュアルは読者の興味を喚起した。

 新聞社の総合力を駆使し、人と自然が共生する地域の魅力を国内外に発信するなど、新聞社の持つ社会性を生かした企画として高く評価された。

緑の伝言プロジェクト「緑の伝言2008」
中国新聞社広告局(代表=執行役員広告局長 増谷 寛)

【受賞理由】

 中国新聞社が2008年8月6日に実施した「緑の伝言プロジェクト『緑の伝言2008』」は、広島市で被爆した樹木の保存活動を通じ、平和の尊さと生命の力強さを訴える広告企画である。

 緑色の封筒を被爆樹木の葉に見立てたメッセージ性の高いデザインで平和を希求する思いを伝えるとともに、ウェブサイトとの連動をはじめ、「被爆樹」見学イベントの実施や市内の小中高校へのポスター配布など、被爆樹木の保全活動を、地域をあげたキャンペーンに発展させた。

 「原爆」という重いテーマを継続して紙面化し、毎年、広告協賛金の一部を市に寄付して平和活動に寄与するなど、社会性の高い優れた企画として高く評価された。

[新聞社企画部門・奨励賞]7作品(会員名簿順)

◇The Asahi Shimbun 130th Anniversary × Fukuyama Masaharu 20th Anniversary
セカイガツナガル ~言葉と、音楽と、記憶。~(朝日新聞社広告局)
◇パノラマワイド「東京メトロ副都心線 散策ガイド」(毎日新聞東京本社広告局)
◇第57回全日本広告連盟長野大会開催記念PR特集 創 (change)
――『信濃の国』新時代 ――(信濃毎日新聞社広告局)
◇いのち シリーズ(中日新聞社広告局)
◇ふくい ものづくり ものがたり(福井新聞社広告局)
◇地才地創 プロジェクト(神戸新聞社広告局)
◇5紙共同企画 映画「消されたヘッドライン」公開記念新聞記者座談会
(朝日新聞東京本社広告局・毎日新聞東京本社広告局・読売新聞東京本社広告局・日本経済新聞社クロスメディア営業局・産経新聞東京本社営業局)