Pressnet News 2008年1月

2008年1月16日

新聞協会が「裁判員制度開始にあたっての取材・報道指針」を策定

 日本新聞協会は1月16日、「裁判員制度開始にあたっての取材・報道指針」を公表した(指針全文はこちら)

 同指針は、裁判員制度が2009年5月までに開始される予定であることから、公正な裁判と報道の自由の調和を図り、国民の知る権利に応えるため、新聞協会が自主的に策定した。事件報道の目的・意義を再確認するとともに、これまで報道各社が取材・報道上取り組んできた人権への配慮を踏まえ、被疑者を犯人と決め付け裁判員に過度の予断を与えないよう取材・報道の在り方について改めて確認した事項を記載した。
 裁判員制度と報道をめぐっては、制度設計段階にあった2002年に、政府が公正な裁判の実現を理由に、裁判員への接触禁止などのほか「偏見報道」を禁止する案を検討していたことから、04年の法案成立まで新聞協会ではこれらに反対する活動を展開した。その結果、偏見報道禁止条項は法律には盛り込まれなかった。一方、新聞協会はこの活動の中で、「『公正な裁判』を担保するうえでも重要な報道のあり方は、メディア側の自主的な取り組みによって追求していくべきだと考えている」ことを表明してきた。
 今回の指針はこうした経緯を踏まえ、編集委員会で検討を重ねて策定したもの。

 今回の指針策定について、編集委員会の粕谷卓志代表幹事は以下の談話を発表した。

「新聞倫理綱領に定めているとおり、人権の尊重は各報道機関、記者が日ごろの取材・報道活動の中で肝に銘じるべきことである。今回策定した本指針を踏まえ、人権に配慮しつつ、報道の役割を果たすために、各社が事件報道の在り方について、改めて検討することを期待したい。裁判員制度発足を契機に報道を規制する動きが検討段階からみられたが、編集委員会は引き続きこうした動きを注視し、対応していく」