1. 日本新聞協会トップページ
  2. すべてのヘッドライン
  3. 新聞協会ニュース
  4. マスコミ倫懇公開シンポ「大震災から500日―被災地の記者が考えたマスコミの役割」

マスコミ倫懇公開シンポ「大震災から500日―被災地の記者が考えたマスコミの役割」

 マスコミ倫理懇談会全国協議会は6月16日、第25回公開シンポジウム「大震災から500日―被災地の記者が考えたマスコミの役割」を東京・内幸町のプレスセンターホールで開催した。東日本大震災で大きな被害を受けた岩手・宮城両県の地元紙・テレビ局の4人がパネル討議に臨んだ。被災地で取材を続ける記者らの話に、参加した115人は熱心に耳を傾けた。

 パネル討議に先立ち、宮城県女川町の須田善明町長が「被災地から伝えたいこと」をテーマに講演した。須田町長は復興の本質を「20年後を見据え、次世代に引き継げる郷土を残せるか」だと話した。また、全国のマスコミや国民に対し、今後のプロセスを被災地とともに歩んでいくという視点を忘れないでほしいと述べ、「支援するというよりは、育ててほしい」と訴えた。

 パネル討議には、河北の大友庸一報道部記者、岩手日報の礒崎真澄報道部次長、東北放送の佐々木智之報道制作局震災報道担当部長、IBC岩手放送の神山浩樹アナウンサーが登壇。震災発生直後の状況や被災地の現状、今後の課題などを語った。司会は専修大の藤森研教授が務めた。

 礒崎氏は、未曽有の災害に遭いながらも紙面を作らなければならないと考える一方で、家族や同僚の安否が気になったと振り返った。その経験から「今、一番大事なのは命である」という思いに至り、避難者約5万人分の名簿の紙面掲載につながった。避難所に新聞を持っていくと、被災者が奪い合うようにして読んでいたという。

 佐々木氏は被災地の現状について、被災者が避難所から仮設住宅に移ったことなどにより、実態が見えにくくなったと説明。「美談だけでなく、事実や課題を掘り下げて伝えていかなければならない」と語った。

 大友氏は「被災地のがれきを受け入れる自治体への抗議が、大きな騒ぎになっている。反対派の話をそのまま掲載した記事を見て、被災地ではあきらめに近い声も上がっている」という現状を紹介した。

 最後にパネリストがそれぞれ、今後への抱負を話した。IBC岩手放送の神山氏は、「系列局の取材班が被災した街を見て、前の姿が分からないのでピンとこないと言っていた。それを知る地元局として、使命を果たしていきたい」と決意を示した。

ページの先頭へ