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「官製デモ報道は誤り」 ジャーナリスト・富坂聡氏 中国をテーマに講演 マス倫懇月例会

 東京地区マスコミ倫理懇談会の例会が11月29日、新聞協会会議室で開かれ、ジャーナリストの富坂聡氏が「日本人の知らない中国人の現実」をテーマに講演した。中国各地に広がった反日デモの背景にある両国政府の意図や、中国に関するメディア報道について話した。

 講演前日に北京から帰国した富坂氏は、状況は沈静化しつつあると説明。沖縄県・尖閣諸島の国有化に端を発する反日デモに「双方に大きな誤解、文化ギャップがあった」と指摘した。その背景には東京都による施設建設などを防ぎ、日中関係を維持したい日本政府の思惑と、国交回復時に中国政府が自国民を納得させるために作り上げた「戦争は一部の軍国主義者が起こした。日本国民に罪はない」というロジックとの整合性が破綻したためだと述べた。中国政府は、尖閣諸島購入の動きを「一部の右翼分子の行動」と国民に説明していたが、日本政府が尖閣購入によって、中国側から右翼分子と同一視されたことが原因だとした。

 日本メディアの中国報道については「共産党政府が最も恐れている一般大衆の動向が抜け落ちている」と指摘。一連の反日活動を官製デモとした報道について、誤りだとの考えを示した。

 その上で、デモ参加者の大半が無職やワーキングプアであり、「身近な不満に反日の火種を入れると瞬時に燃え上がる」と述べた。今後の報道は、「政府と人民の力関係を見なければいけない。かつての力強い共産党政府ではない」と指摘した。

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