1. 日本新聞協会トップページ
  2. すべてのヘッドライン
  3. 新聞協会ニュース
  4. 新聞製作講座(下流) 印刷不具合の対処法を紹介 網点高精細化、朝・信毎が報告

新聞製作講座(下流) 印刷不具合の対処法を紹介 網点高精細化、朝・信毎が報告

 新聞協会主催の第59回新聞製作講座(11月29、30日)の下流部門には、302人が参加した。初日のパネル討議「新聞印刷のトラブルとその対処法」では、用紙、インキ、ブランケット、輪転機の各メーカーの担当者が印刷トラブルの発生要因や対策を紹介。2日目は、東京機械製作所からデジタル新聞印刷の可能性について話を聞いたほか、網点の高精細化の取り組みについて、朝日、信濃毎日が報告がした。

 パネル討議は、日本製紙の佐藤孝技術本部品質保証部長代理、DICグラフィックスの立川正明技術本部新聞インキ技術グループ主任研究員、三菱重工印刷紙工機械の西山浩司開発本部技術部次長、藤倉ゴム工業の桜井亘技術製造本部技術統括部印刷技術チームリーダーが登壇。読売東京の安達啓史制作局技術二部次長がコーディネーターを務めた。印刷トラブルの要因である①シワ②断紙③着肉不良④パイリング(ブランケット、版、インキローラー上に紙粉が堆積)⑤ミスチング(インキの飛散)の発生原因や対策などについて意見交換した。

 読売を印刷している17工場のデータによると、輪転機が停止する要因として最も多いのは断紙だという。登壇した4人はそれぞれ自社の専門分野に則して、断紙の原因と対策を説明した。

 桜井氏は表面のゴムの紙離れやインキ離れの悪化を原因の一つに挙げ、表面粗度を大きくするなどの対策を説明した。立川氏は溶剤成分の蒸発によるインキ粘度の上昇による走行安定性の不良などが要因になると指摘。高沸点溶剤、植物油を多用して溶剤成分の蒸発を抑えることで安定性を良くし、ブランケット上での増粘を抑えることが有効だと述べた。

 佐藤氏は、用紙強度の不足を要因に挙げ、強度の高いパルプの配合を増やすことを対策に挙げた。西山氏はテンションコントロールやペースター装置周りの設定不良などを指摘した。

 安達氏は、輪転機の多様化や使用年数の長期化を指摘した上で「これまでは作業員の経験による判断で対処できたかもしれない。しかし、機械・資材・運用などの面からデータを積み上げ、客観的に解析することが必要になってくる」と結んだ。

 デジタル印刷について講演した東京機械製作所の藤沼宏行デザイン部次長は、第21回新聞製作技術展(JANPS2012)で実機展示したデジタル印刷機「ジェットリーダー1500」について説明。刷版が不要で、印刷サイズの変更が可能といったメリットを挙げる一方、まだオフセット印刷に比べ印刷速度が遅く、1部当たりの印刷コストも高いと指摘した。

 朝日の椙原浩史製作本部生産管理セクション技師・品質担当マネジャーと信濃毎日の早川和利印刷局技術室長は、網点の高精細化の取り組みについて話した。

 朝日は2006年8月に広告面、08年7月に記事面のカラーをFM化した。網点の大きさで階調を表現するAMに対し、FMは網点の粗密で表現。細部の再現性向上に加え、規則的な模様を重ねた時に生じる干渉縞(モアレ)が発生しないという利点がある。

 AMの高精細化に取り組んできた信濃毎日は、08年10月に網点線数200(カラー)の「新AMスクリーン」に全面移行。紙面品質の向上だけでなく、インキ使用量の削減にもつながっているという。今年10月からは網点線数をカラー300線、モノクロ200線に変更するなどさらなる試みを続けている。

 このほか、産経東京の近藤豊和編集長は「危機管理の基礎」と題し講演。東日本大震災直後の編集現場の対応などを語った。

ページの先頭へ