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「情報共有・拡散する環境を」 広告は「枠から人」に変化 第5回メディア戦略セミナー

 新聞協会が主催する「第5回メディア戦略セミナー」は12月3日、東京・平河町の都道府県会館で開かれ、「進化する企業と生活者のコミュニケーションに対応する―新聞社のデジタル事業体制と広告営業の実践」をテーマに講師4人から話を聞いた。新聞・通信55社の広告、デジタルメディア担当者ら117人が出席した。

 電通の廣田周作プラットフォーム・ビジネス局開発部コミュニケーション・プランナーは、「過剰選択肢の時代」を迎え、誰によって拡散された情報なのかが重要度を左右する「人にひも付いた情報の価値」が生まれたと説明。その上で、「単純に情報を発しただけでは生活者に届かない」と述べ、情報が共有・拡散されるには受け手に関係あると思わせる「自分ごと化」が必要だとした。

 また、共感されるニュース作りが必要だとし、「制作者の振る舞い、思いをコミュニティーに伝える環境作りが重要だ」と述べた。そのためにソーシャルメディアを活用して読者とつながることを提案。マスメディアが地域社会の課題解決へ積極的に関わることを要望した。

 花王の本間充グローバルメディア企画部門デジタルコミュニケーションセンター企画室長(アドバタイザーズ協会Web広告研究会代表幹事)は、オンライン広告のリアルタイムビディング(即時入札)により、的を絞った広告展開が可能になったとし、広告購買は「枠から人」に変化していると指摘した。また、動画や音声が流せる電子新聞を評価し、新たな媒体の広告に期待を込めた。

 日経の冨田賢執行役員クロスメディア営業局長は、電子版の現状と広告営業について説明した。

 電子版の広告から広告主サイトへのリンクや本紙との連動広告企画を進めるほか、電子版で広告を閲読した登録会員の属性データを広告主に提供している。

 組織体制では、今年春から金融・不動産分野で、本紙と電子版の広告営業をクロスメディア営業局に一本化する取り組みを実験的に進めているという。

 河北の東海林仁営業本部次長は、デジタル事業と社内体制について説明した。同社は4月にメディア局を分割し、編集局にデジタル編集部を、営業本部にデジタル事業部をそれぞれ設けた。東日本大震災をきっかけに、編集とデジタルメディアの融合が飛躍的に進み、補完関係が築かれたという。

 東海林氏は本紙とソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の連動企画やSNS内のブログ運営について説明。デジタル事業は「サービス業としてみるべきだ。情報を吸い上げて、広告主と一緒に作り上げていきたい」と述べた。

 参加者からは新聞社のデジタルの今後について質問があった。東海林氏は「新聞社はデジタル分野への投資規模を定め切れていない。種を多くまいて、育ったものが成功だ。一発必中は難しい」と明かした。

 冨田氏は、紙面とデジタルの広告担当者が互いの分野に苦手意識を持っているとし、「5~10年後にはそれもなくなって、全員で取り組んでいかなければいけないだろう。時代の流れについていけないと生き残れない」と述べた。

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