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「内なる差別意識、自覚して」 にんげん出版・小林健治代表 マス倫月例会で講演

 東京地区マスコミ倫理懇談会の2月例会が19日、新聞協会会議室で開かれ、にんげん出版代表の小林健治氏が「マスコミと差別を考える―『週刊朝日』問題を契機に」と題し講演した。橋下徹大阪市長の出自に関する週刊朝日(2012年10月26日号)の記事をめぐり、「誰でも差別意識はある。問題はそれを自覚できるかどうかだ」と強調した。

 小林氏は1980年から、部落解放同盟でマスコミの差別表現の問題に取り組んできた。2004年まで解放出版社事務局長。小林氏は、人種差別などのヘイトスピーチについて「欧米には直接的に規制する法律があるが、日本にはない。学問の対象にすらなっていない」と語る。「言論の市場に委ねる」「本人の品格の問題」などとされてしまうのが大勢だという。

 11年11月の大阪府知事・大阪市長のダブル選挙に際し、橋下氏が被差別部落出身であることを週刊誌が報じた。翌12年8月の週刊朝日は「橋下氏の血脈をたどった」などとする記事を載せたが、被差別部落については言及していなかった。しかし、約2か月後の記事で、出自と人格や政治手法を結びつけた。小林氏は「筆者の佐野真一氏の名前で、2か月前に書きたかったことを書いたといわんばかりの内容」と批判する。

 記事については、「事実を書いてなぜいけないのか」といった意見も寄せられた。これに対しては、「事実か否かではなく、表現の差別性が問われている」という。「表現の自由には、他者の人権を踏みにじることは含まれない。事実であるから書いていい、とはならない」と語った。

 小林氏は、他の最近の差別表現についても指摘した上で、「地区を特定したから問題、といったような意識であれば、また問題は起こる。特にジャーナリストは自身の内にある差別意識を自覚してほしい」と訴えた。差別語の言い換えについても、「差別語には負の歴史が凝縮されている。その点を考えて使うことこそ、差別をなくす道だ」と強調した。

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