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警察とジャーナリズムで講演 朝日・緒方健二編集委員 「国民視点からの監視を」 マス倫懇月例会

 東京地区マスコミ倫理懇談会の4月例会が15日、新聞協会会議室で開かれ、朝日新聞社の緒方健二編集委員が「警察の今」と題し講演した。警官による犯罪や捜査のミスなど、不祥事が相次ぐ警察の現状を説明し、これを監視するジャーナリズムの役割について語った。

 緒方氏は毎日新聞社を経て1988年に入社。西部本社で福岡県警担当、東京本社で警視庁キャップを務めるなど、長く警察を取材してきた。

 99年から2000年にかけ、神奈川県警での警官による犯罪とその隠蔽(いんぺい)など、警察不祥事が相次いだ。その後、第三者機関の提言を踏まえて再発防止に取り組み、いったんは減った不祥事がここ数年間は増えているという。12年に懲戒免職となった警官、警察職員は全国で62人で、「警察改革」を始めた00年以降で最多。緒方氏は、「階級、年齢、キャリア・ノンキャリアの区別なく、質が全体として低下しているように感じる」と話す。

 捜査能力の低下も見られるという。警察は「住民の意識の変化で聞き込みが難しくなった」と言うが、やるべき聞き込みを怠るなどの堕落ぶりが重大事件の未解決多数の背景にある、と指摘する。

 パソコン遠隔操作事件では、4人もの市民が誤認逮捕された。暴力団対策をめぐっても、47都道府県すべてに排除条例制定など性急、拙速な取り組みが目立つ。結果として福岡県では企業や市民への襲撃が相次いだ。関東連合などいわゆる"半グレ集団"への対応も遅く、鈍い。

 問題が山積している警察だが、東日本大震災時の対応など評価するべき点もある。緒方氏は「本来守るべき国民に害を及ぼさないよう、ジャーナリズムは警察を監視しなければならない」と強調した。

 参加者からは、警察の不祥事を記事にする上での注意点について、質問があった。緒方氏は「したたかな組織なので、ステレオタイプの批判は通じない」とした上で、「内情をえぐってデータを集め、反論の余地を与えず、かつ前向きにさせるよう書くことが肝要だ」と答えた。

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