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日中記者交流計画 環境問題めぐり意見交換 経済発展との関わり踏まえ

 第31回日中記者交流計画「環境問題に関する取材と報道」懇談会が4月16日、東京・内幸町のプレスセンターホールで開かれ、中国記者団7社8人が新聞協会国際委員会委員ら15社18人と意見を交わした。東京電力福島第一原発事故による放射能汚染や、微小粒子状物質「PM2.5」による大気汚染など、両国がそれぞれ抱える環境問題について、経済発展との関わりも踏まえて話し合った。

 冒頭、国際委員会の宇治敏彦委員長(中日新聞社相談役東京本社論説室特任論説委員)が、「日中は昨年、国交正常化40周年を迎えたが、今が最もよくない国家間関係であることは認めざるを得ない。ジャーナリストとしての率直な意見交換を通し、友好を取り戻す努力をしたい」とあいさつ。今回のテーマである環境問題は、経済発展と深く関わっていると指摘した。また、日本では原発事故以来、放射能汚染が問題となっているとし、「核廃棄物処理という現実問題と、一般市民の『わが家の裏庭でなければよい』という意識が交ざり、解決が難しい」と現状を説明した。

 中国記者団の王旭団長(新華社「経済参考報」総編集助理)は、「中国のメディアも開かれてきており、土壌や大気汚染などさまざまな問題を報じている。ただ、中央政府に比べ地方政府はまだ保守的で、情報開示が進んでいない」と述べた。

 続いて、唐宝賢副団長(中国環境報社首席記者)が、環境問題に関する中国の新聞の取り組みや姿勢を報告した。唐氏は、中国の環境報道を①一般市民の環境意識を高めるため、知識や法規を紹介する②環境保護の成功事例を報じる③環境問題における犯罪などを告発する―という三つの型に分けられると説明。現在展開している「中華環境報道シリーズ」というキャンペーンには、1千社以上、数万人の記者が参加しているという。「日本の環境報道の質は高く、多くを学んだ。環境問題を扱うジャーナリストの質は向上している」と話した。

 読売東京の河野博子編集委員は、「告発型報道の限界を感じている。国益と地球益の違いもあり、国同士による環境問題への取り組みには限界がある。ポスト京都議定書も策定できなかった。産業界を動かさないといけない」と指摘。唐氏は「ポスト京都議定書については、国家間の問題だ。それぞれの国の発展状況がある。日本は痛い経験を乗り越えてきたが、中国は発展している最中だ」と答えた。一方で「先進国ばかりが義務を負えばよいというわけではない。途上国も相応の努力をすべきだ」とも述べた。

 「放射能問題を報じる際の方針はあるのか」との中国側の質問に対し、毎日東京の坂東賢治編集編成局次長は、「事故以前の報道について局内で議論している。日本は資源が少なく、原発を必要悪的に扱ってきた。毎日新聞では、日本の原発がどう推進されてきたか、どう報じられてきたのか見直す連載をしている」と話した。

 問題となっているPM2.5に話が及ぶと、王氏は「中国と日本は経済発展の進度が違う。環境への関心や視野の広さも異なる。日本国内の環境問題はかなり解決されたが、中国は工業化を一層進めなければならない」と主張。その上で、北京市が環境計画を策定した例を挙げ、中国の取り組みを説明した。

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