1. 日本新聞協会トップページ
  2. すべてのヘッドライン
  3. 新聞協会ニュース
  4. 激動の沖縄を写真で紹介 琉球新報120年記念展開く ニュースパーク

激動の沖縄を写真で紹介 琉球新報120年記念展開く ニュースパーク

 新聞博物館(ニュースパーク、横浜市)で6月22日、琉球新報社と共催の「琉球新報創刊120年企画展 報道カメラマンが見た激動のOKINAWA42年」が開幕した。本土復帰前後の沖縄の姿や沖縄独特の習俗・文化、豊かな自然を紹介した作品など、同社写真映像部の山城博明記者が1970年から2012年にかけて撮影した227点を展示している。

 展示は7部構成。序章は有刺鉄線越しにこちらを見つめる米兵や、使用済みの米軍演習弾で遊ぶ子供などを通し、米軍と沖縄の微妙な距離を描いた。

 1部「1970年代の沖縄」は、米国統治への不信と不満が爆発したコザ騒動(70年)や、自動車が右側通行から左側に変わった78年7月30日の様子など、沖縄返還に伴う変化を追った。専門学校で法律を教えている横浜市の築山祐子さん(35)は、「交通方法の変更など、たった1日で米国から日本に変わった瞬間が印象的だった」と話した。

 第二次世界大戦で日本唯一、地上戦が行われ、多くの住民が巻き込まれた沖縄。2部「集団自決(強制集団死)」では、傷痕を背負った慶良間諸島座間味村と渡嘉敷村の人々に迫った。親族から首筋をナタで切られた女性らが、自分の子供にも話さなかった体験を実名で写真に残している。「取材対象との信頼関係がよほどしっかりしていないと撮れないと思う。匿名の文章では伝わらないリアリティーを感じる」(神奈川県藤沢市の内堀聡さん=55)と、どの来館者も足を止めて見入っていた。

 沖縄の女性が手の甲に入れた入れ墨「針突〈ハジチ〉」(3部)。島によって模様や施す理由は異なるが、1899年に禁止令が施行されるまで広く行われた風習だ。ハジチをした女性の高齢化が進む中、老人ホームを訪ね歩き、貴重な資料として残した。そのほか、泥を塗って厄払いする「パーントゥ」という宮古島平良の祭りや、旧暦9月7日に行われる97歳の長寿の祝い「かじまやー」など、沖縄独特の文化を捉えた。

 4部「沖縄の自然」は、天然記念物のイリオモテヤマネコやヤンバルクイナ、絶滅危惧種のオキナワギクなど、沖縄に生きる多様な動植物を中心に豊かな自然を写した。「オスプレイ強行配備」(5部)、「沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件」(6部)では、変わらない基地負担に危険度を増す沖縄の現在の姿を訴えた。

 会場の外では、琉球が2004年から05年に、沖縄戦60年を機に作った「沖縄戦新聞」を展示した。全14回の紙面は、戦争を知らない記者が現在の情報と視点、体験者の証言を盛り込んで、当時の状況を記事として再構成している。松元剛編集局次長兼報道本部長兼NIE推進室長論説委員は、「沖縄の若者が皆、戦争の知識を持っているわけではない。山城記者や沖縄戦新聞に携わった記者の経験や知識を、若い世代につないでいかなければとあらためて認識した」と話した。

 企画展は8月18日まで。

ページの先頭へ