1. 日本新聞協会トップページ
  2. すべてのヘッドライン
  3. 新聞協会ニュース
  4. マス倫懇が公開シンポ どうネットと向き合うか SNS利用実態を報告

マス倫懇が公開シンポ どうネットと向き合うか SNS利用実態を報告

 マスコミ倫理懇談会全国協議会は6月24日、第26回公開シンポジウム「マスメディアはいかにネットと向き合うべきか」を東京・内幸町のプレスセンターホールで開催した。マスメディアの現場でもソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の活用が進む中、登壇者から利用実態について報告があり、活発に意見が交わされた。80人が参加した。

 朝日東京の山田亜紀子報道局ソーシャルメディアエディター、共同の下山純編集委員、TBSテレビの本田史弘社会部長、ネットジャーナリストの亀松太郎氏が登壇した。司会は恵泉女子学園大教授でジャーナリストの武田徹氏が務めた。

 武田氏は冒頭、通信に過ぎなかったインターネットが、SNSの登場でメディア的な機能を備えるようになったと説明した。特に東日本大震災の際は、従来のメディアがカバーできない部分をSNSが伝え、メディアへの批判が集まったとした。

 朝日は現在、約80人の記者がツイッターのアカウントを持っている。人々の声を拾うなど取材に活用するほか、「記者一人一人の顔を見せ、ファンを育てる。その束が朝日の読者になる」と山田氏は狙いを語る。連載「ビリオメディア」では、ツイッターを通じて取材過程を可視化した。テーマを決めずに取材現場へ飛び込み、そこにいる人々の声を聞き、ツイッターでつぶやくといった取り組みを紹介した。「SNSで取材先の信頼を傷つけないよう研修している。日々実験しながら走っている状態だ」

 本田氏は、1月にアルジェリアで起きた人質事件で被害者の実名公表を求めた報道機関に、ネットを中心に激しい批判が起きたことなどから、「ネットには既存メディアへの負の感情があふれている」と話す。張り込み中の記者が逆に取材され、その様子がネットで公開されるといった事態も起きているという。

 下山氏は、2月のロシアへの隕石落下の際、ユーチューブの動画をメディアが使ったことなどを挙げ、取材ツールとしてネットの活用が進む実態を示し、「真偽をどう確認するかが課題だ」と話した。

 動画サイト・ニコニコ動画で報道番組などの企画に携わった亀松氏は、SNSの特徴として、「リアルタイム性」「双方向性」「簡単さ」「アーカイブ性」を挙げた。また、今後メディアを取り巻く環境は厳しくなるとした上で、「記者のSNSは、会社組織がなくなった場合に救命胴衣の役目を果たす」と述べた。

ページの先頭へ