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「先端技術は幸せもたらすか」 朝日・岡崎明子氏 生命倫理とメディアで講演 マス倫懇月例会

 東京地区マスコミ倫理懇談会の9月例会が17日、新聞協会会議室で開かれ、朝日新聞社科学医療部の岡崎明子記者が「生命倫理とメディアの役割」と題し講演した。4月に始まったダウン症など胎児の染色体異常が早期に分かる「新型出生前診断」をはじめとする先端医療の報道をめぐり、「新たな技術は本当に幸せをもたらすのか。多様な面から一つ一つ報道していくのが大事だ」と語った。

 岡崎氏は1993年に入社し、医療問題を長く担当している。昨年8月に掲載された新型出生前診断が始まるとの記事は大きな反響を呼んだという。新型出生前診断は比較的安全で精度が高いといったメリットがある一方、中絶という「安易な命の選別につながる」と懸念されている。岡崎氏は、ダウン症の患者団体から「ダウン症の育児の実態が知られていない中、拙速だ」といった意見が上がっていると説明した。

 岡崎氏は、生命倫理をめぐる課題は他にもあるが「センセーショナルに受け止められるばかりで、議論が深まらない」と述べた。代理出産や卵子提供、男女の産み分けなどが日本では認められず、他国を利用している実態を報道することで、こうした手法の宣伝につながる面もあると指摘した。

 また、自身の新型出生前診断の報道について「カウンセリングの大切さを強調しながら、その具体的手法を伝えなかった」などの反省点を挙げた。さらに、先端医療の取材対象が医師に偏りがちな現状を踏まえ、「医療の限界や少数派の見解を、新聞社の各部が連携して意識的に伝える必要がある」と述べた。

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