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秘密保護法案 「知る権利」損なわれる 新聞協会、意見書で危惧表明

 新聞協会は10月2日、政府が臨時国会での成立を目指している特定秘密保護法案について、「政府や行政機関の運用次第で、憲法が保障する取材・報道の自由が制約されかねず、民主主義の根幹である『国民の知る権利』が損なわれる恐れがあり、強い危惧を表明する」との意見書を、森雅子特定秘密保護法担当相と内閣情報調査室に提出した。特定秘密の対象範囲をより明確化することを求めるとともに、取材・報道の自由は侵害しないとの明文規定を盛り込むべきだと指摘した。

 政府は9月3日、法案の概要を公表するとともに、15日間の意見募集を開始。概要では「法を拡大解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害してはならない」との規定を示すにとどまっていた。

 概要は、安全保障に関する事項で①防衛②外交③安全脅威活動の防止④テロ活動の防止―の4分野の機密性の高い情報を「特定秘密」に指定。これを漏えいした公務員らに、最高10年以下の懲役を科す。不正に情報を入手した第三者も処罰の対象となる。

 意見書は、何が特定秘密に当たるかをチェックする仕組みがない上、法案の別表に列記されている規定が抽象的な表現にとどまっていると指摘。「政府・行政機関にとって不都合な情報を恣意(しい)的に指定したり、国民に必要な情報まで秘匿したりする手段に使われる疑念は依然として残る。対象範囲をより明確化する必要がある」と主張した。

 厳罰化の影響についても、特定秘密の漏えいに対する10年以下の懲役は、国家公務員法、地方公務員法の1年以下、自衛隊法の5年以下の懲役よりも重く、「公務員らの情報公開に対する姿勢を過度に萎縮させはしないか」と懸念を示した。

 漏えいだけでなく、情報を得ようと相手を唆す「教唆」も処罰対象としている。報道機関の正当な取材が教唆と判断される可能性もあるとして「取材・報道の自由は侵害しないとの明文規定を盛り込むべきだ」と訴えた。

 「法を拡大解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害してはならない」との規定については、「『不当に』の範囲が不明確で、それが担保される保証はなく、政府や行政機関の運用次第で、憲法が保障する取材・報道の自由が制約されかねない」と指摘した。

 同法案をめぐって新聞協会は、民主党政権下で国会提出が検討されていた2011年11月、「国民の『知る権利』や取材・報道の自由を阻害しかねない問題点が多く、強く反対する」との意見書を、当時の藤村修官房長官と内閣情報調査室に提出している。

 政府が9月26日に開かれた自民党の検討プロジェクトチーム(座長=町村信孝元外相)に示した原案には、「報道の自由に十分配慮する」との文言が付け加えられている。

森担当相がヒアリング 編集小委委員長が出席

 特定秘密保護法案をめぐり新聞協会編集小委員会の五嶋清委員長(産経東京・編集局総務)は10月4日、森雅子担当相によるヒアリングに出席し、法案への危惧を表明した。2日に提出した意見書を踏まえ、「憲法が保障する取材・報道の自由が制約されかねず、民主主義の根幹である『国民の知る権利』が損なわれる恐れがある」と訴えた。

 ヒアリングは民放連、日本雑誌協会も出席し、法案への懸念を表明した。

 新聞協会は9月25日、日弁連と共に自民党の会合で意見を述べているが、森氏は今回のヒアリングについて「担当相として、直接皆さんの考えを聞きたい」と開催の趣旨を説明した。

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