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公共的、文化的使命果たす 軽減税率求め特別決議 鹿児島市で新聞大会

 第66回新聞大会は10月16日、鹿児島市の鹿児島市民文化ホールで開かれ、新聞協会加盟社幹部ら482人が参加した。大会式典では、平和で安定した社会の実現に寄与することを誓った大会決議に続き、新聞への消費税軽減税率適用を求め、「読者、国民の理解を得られるよう、今後も公共的、文化的使命を果たし、知る権利の担い手として役割を果たしていく」との特別決議を採択した。研究座談会では、8%の消費税率が新聞経営に及ぼす影響や対応について、新聞5社の経営トップがフロアからの意見も交え討議した。

 鹿児島市での開催は1984年以来29年ぶり2回目。式典は南日本の逆瀬川尚文代表取締役社長が「有意義で充実した大会になるよう祈念して歓迎したい」とあいさつし、幕を開けた。

 続いて新聞協会の白石興二郎会長(読売)が「新聞協会挙げて販売改革を進めるほか、各社が紙面向上に努め、国民の知る権利に応えていかなければならない」と決意を述べた。

 新聞協会賞は、編集部門で鮫島浩(朝日東京)、田村崇仁(共同)、河野英治(NHK)、杉田達彦(同)、本田良一(北海道)、新垣和也(琉球)、森田一平(山陰中央)の7氏、経営・業務部門で観堂義憲氏(下野)、技術部門で神林寿享氏(信濃毎日)が受賞した。

 原発事故で放射能に汚染された土や家屋の〝手抜き除染〝の事実を突き止めた朝日東京の鮫島氏は「埋もれている事実を発掘するという精神を新聞界で分かち合い、日本のジャーナリズムを共に発展させていきたい」と力強く語った。

 柔道女子日本代表級の選手への暴力やパワーハラスメント問題をスクープした共同の田村氏は、体罰や暴力が大きな社会問題になっている現状を踏まえ、「問題を長期的に検証する役割が報道機関に求められている」と訴えた。

 生態が知られていない深海生物ダイオウイカの姿を世界で初めて鮮明な映像で捉えたNHKの河野氏は「撮りたい、見せたいとの執念が、カメラの前に二十数分にわたりダイオウイカを金縛りにしたのではないか」と述べた。

 北方領土をめぐる問題を生活者の視点で捉えた長期連載を展開した北海道の本田氏は、取材した択捉島の元島民から受賞を喜ぶ連絡があったことを紹介。「これからも読者に喜ばれる企画や記事を書いていく」とあらためて決意した。

 尖閣諸島、竹島を抱える地元紙として、巧みな連携で領土問題を捉え直した2氏は「今回の企画が、周辺国の住民との相互理解を深め、紛争回避の一助になればうれしい」(琉球・新垣氏)、「地域の抱える問題をつなぐことで、日本の問題を立体的にあぶり出すことができた」(山陰中央・森田氏)とそれぞれ語った。

 全国初の新聞社による常設独立店舗型のカフェを開設した下野の観堂氏は「受賞が決まって以降、売り上げが増え、新聞社や広告会社などの見学も相次いでいる。イベントスペースの利用もこの1か月半で、5割増だ」と明かし、会場を沸かせた。

 輪転機から発生する熱や水蒸気をコントロールし、輪転機の内側から空調する新システムを塩尻製作センターに導入、実用化した信濃毎日の神林氏は「全国の新聞印刷工場の役に立てれば、これほどうれしいことはない」と笑みをこぼした。

 このほか、京大の井口正人防災研究所付属火山活動研究センター長が「桜島火山の観測研究から予想される今後の活動と災害―減災への新聞の役割」と題し講演した。

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