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両国関係と報道めぐり討議 ソウルで日韓編集セミナー

 第48回日韓編集セミナーは10月30日、「日韓の両国関連報道における特徴と課題」をテーマにソウルで開催された。日本からは読売東京の森千春論説委員を団長とする10社10人が出席し、韓国側は国民日報の趙容来論説委員を団長に15社15人が参加した。昨年8月に韓国の李明博前大統領が竹島に上陸して以来、急速に冷え込んだ日韓関係とその関連報道について意見を交わした。

 セミナーは、新聞協会と韓国新聞放送編集人協会の主催で開かれた。29日の歓迎レセプションで、韓国の尹炳世外相は「最近の韓日関係は厳しい。問題の本質は間違った歴史認識で、両国民が正しい理解を持つにはマスコミの役割が重要だ。問題を解決するためにも、セミナーでの討論に期待したい」と述べた。

 セミナーでは森・趙両氏が議長を務め、朝鮮日報の姜仁仙国際部長と西日本の藤井通彦論説委員長がそれぞれ基調報告を行った。

 姜氏は、竹島や従軍慰安婦の問題、集団的自衛権の行使など日韓両国に関わる懸案について「韓国メディアは、ほとんど全ての問題を歴史問題として帰結させる傾向にある」と指摘。「歴史問題の解決なしでは、韓国メディアの日本に対する批判的な姿勢は変わらない」との考えを示した。

 藤井氏は、「両国の確執ばかりがメディアを通じて双方の国内でクローズアップされ、従来以上に相互不信の連鎖と呼べるような状況が生まれている」と報告。インターネットを通じて両国のメディアの論調や国民感情がリアルタイムで伝わり、「互いの批判や悪感情がさらに増幅する現象が起きている」と分析した。

 その上で、日韓メディアに求められる姿勢として、①両国の関係安定化が東アジアの安定に資することを再確認する②相手国の現状や歴史的歩みを正確に理解し安易なレッテルを貼らない③一面的な現象だけでなく背景に至る深く多面的な報道を心掛ける④扇情的な表現は控え国民に冷静な対応を呼び掛ける―ことを提案した。

 討議では、日本を激しく批判する報道について韓国側から「冷静さを維持することは、言うに易しいが、国民感情や歴史問題があるため容易なことではない」といった意見が出された。その一方で、「自分の書いた記事を相手国の同僚が読んでいるという心構えがあれば、もう少し良い結果になる」という見方や、「問題が起きた時に相手国の主張だけでなく、その論理や背景を共に紹介する姿勢を持てば環境は違ってくる」として、西日本と釜山日報の記者交換制度を評価する声があった。

 日本側は「関係が厳しい時期には、本来問題とならないことでも問題になる」とした上で、「両国ジャーナリズムにとって踏ん張りどころだ。大きな流れの方に引きずられず、ファクトそのものを等身大で伝えることが欠かせない」と指摘した。また、経済分野や少子化・医療問題、共通の歴史研究などでの協力を提案する意見があった。

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