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新聞製作講座・上流 システム共有化で講演

デジタル印刷機の報告も

 第60回新聞製作講座が11月21、22の両日、TOC有明(東京都江東区)で開かれ、新聞・通信社やメーカーなどから552人が参加した。上流の講座では、新聞制作システムの共有化について、共有システムを管理・運営する共同と、導入第1号となった東奥が講演した。このほか、子会社でデジタル印刷機を稼働させる静岡と、全社員にスマートフォンを貸与している朝日、毎日が事例報告した。下流ではモニタープルーフの運用事例を読売、中日などが報告。下野と山梨日日が高濃度インキについて説明した。

 上流の講座には270人が参加した。

 共同のシステム共有化について柴田敏満システム共有化推進本部事務局次長は①導入・ランニングコストの削減②ライフサイクルの長期化③フォーマット標準化④災害・障害対策⑤共同加盟社の連携・経営基盤強化や商品力向上―を開発理念として挙げた。東奥の千葉誠昭システム局次長兼システム部長は「大きな問題はなく、ほぼ予定通り新システムに移行できた。遠からず初期障害は解消されると思う」と述べた。

 利用社が増加することについて千葉氏は、「現状が完成形ではなく、使える他社の機能は取り入れて進化したい。それが共有システムのメリットだ」とした上で、スピード感を持った機能開発と新聞社間の連携強化が重要だと強調した。柴田氏は「東奥の運用に影響を与えずに後続社を追加し、複数社の利用に対応したシステムを整備することが課題だ」と述べた。

 静岡の増田晴樹取締役印刷局長は、子会社ハワイ報知社(本社ホノルル)で来春から本格稼働する東京機械のデジタル印刷機「ジェットリーダー1500」について説明した。ハワイ報知で印刷する29紙のうち19紙が部数1万部以下で、判型もタブロイドやブロードシートが混在している。異なる体裁に対応できることが、導入を決める際の重要な基準だったとした。

 増田氏は、デジタル印刷機は刷版や現像液などの製作資材が不要な一方で、最大のコスト要因は割高なインキだと指摘。十分な濃度を得るためにはオフセット輪転機と比べ、2.6~3倍のインキが必要だという。また、用紙についてもインキジェット用の表面加工が必要となり、コスト上昇につながるとした。

 朝日は2011年12月に名古屋本社でスマートフォンの貸与を始めた。現在は全本支社で約5千台を運用しており、固定電話や電話交換機の削減につながったという。記者向け端末には記事や写真を出稿できるアプリの搭載を準備中だ。守安克二製作本部主査は「バッテリーの劣化への対応が次の更新に向けた課題だ」と述べた。

 また、回線が混乱した時に備え、全端末の約1割を災害時優先電話にしていくと述べた。

 毎日は今年1月に導入した。社員間の通話を内線通話に切り替え、通話料の削減に結びついたことが報告された。

 非常時の送稿手段として、原稿送信アプリを備えているという。元木隆夫東京本社制作技術局技術センター副部長は「使い慣れてくるとあれこれ要望が出てくる。海外での利用も技術的な問題はないが、高い料金の問題をどうクリアするかは課題だ」と述べた。また、想定以上に端末の破損があることも懸念材料に挙げた。

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