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英世論「国に機密持つ権利」 ジャーナリストの小林恭子氏 メディア規制で講演 マス倫懇

 マスコミ倫理懇談会の第12期第5回「メディアと法」研究会と東京地区懇談会の合同会議が12月18日、新聞協会会議室で開かれ、在英ジャーナリストの小林恭子氏が、英国における国家機密と報道の自由について講演した。英国のメディア規制の動きや国家機密と報道の自由の関係について、参加者と意見交換した。

 英国では日本よりも、おとり取材や隠しカメラを用いた取材が多く行われている。2005年には大衆紙による電話の盗聴が発覚した。この問題を受けてキャメロン首相が11年7月に発足させた独立調査委員会(レベソン委員会)は、新聞報道を向上させるための提案事項を盛り込んだ報告書を12年11月発表。独立した自主規制機関の設置や、報道被害者が利用できる簡易裁判所の設置などを提言した。

 しかし、13年末になっても自主規制機関は発足していない。小林氏は「報道の独立性に政治家が介入することへの反対など、新聞社側の抵抗感が強い。ただ、国民からは不信感を買っている」と説明した。

 国家機密を漏えいした公務員を罰する公務秘密法は1911年の制定当初、「職務上知り得た、一切の情報」の伝達を禁じていたが、89年の改定で情報が限定された。しかし、「国家機密をどう報道すべきかについて、『国は一定の機密を保持する権利がある』というのが英国の世論」(小林氏)だという。

 こうした中で、米中央情報局(CIA)元職員のスノーデン氏が提供した米機密情報を報じるガーディアン紙に、政府から大きな圧力がかかっている。国家機密を一新聞社が判断して公開することに対して、傲慢(ごうまん)だという意見も国民にはあるという。

 小林氏は、「日英の状況は単純に比較できないが、情報公開への道筋作りと、国民の反対の声が強くても法案が成立してしまう状態を変えていくことが日本メディアの課題だ」と話した。

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