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個人情報の扱い 欧米に違い 中央大の宮下紘准教授 ビッグデータ活用で講演 マス倫月例会

 東京地区マスコミ倫理懇談会の1月例会が1月29日、新聞協会会議室で開かれ、中央大の宮下紘准教授がビッグデータの活用とプライバシー保護について講演した。欧米を例に、表現の自由との関わりについても説明した。

 宮下氏はビッグデータの取り扱いについて、大量のデータが漏えいすることではなく、そのデータから分析した個人像が勝手に形成されることが脅威だと指摘した。保険会社が医療情報や遺伝情報を売買し、保険加入の可否を判断している米国の例を挙げ、「必ずしも正確でない個人像から差別や偏見が生じる」と述べた。

 個人情報の利用と保護をめぐる欧米の議論も紹介した。欧州では身分制社会で出自などから人間の尊厳や名誉を否定してきた過去を踏まえ、人間の尊厳を守った上での活用が基本だという。そのため、事前の同意なしの情報収集・利用・公表は本人の権利を軽視していると見なされると説明した。欧州連合(EU)では現在、インターネット上に掲載された情報について、個人情報保護を理由に削除や閲覧制限を求める「忘れられる権利」が協議され、表現の自由との調整が図られているという。

 一方、米国では、個人情報は自由市場の財産としての性格が強く、商業利用が活発だと述べた。保護を理由に特定の情報を削除することは、表現の自由に反するとの見方が一般的だという。

 日本では個人情報保護法の改正が議論されている。宮下氏はプライバシーを守るために個人情報をどう扱うかについて、「米国型とするか欧州型とするか、諸外国の制度との調和も考慮しながら制度設計を検討すべきだ」と話した。

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