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受賞作の撮影秘話語る 2013年報道写真展の記者講演会 ニュースパーク

「信頼性ある写真に価値」

 新聞博物館(ニュースパーク、横浜市)で2月15日、写真記者による講演会が開かれた。企画展「2013年報道写真展」(東京写真記者協会共催)の関連イベント。JR南浦和駅で車両とプラットホームの間に挟まれた女性を乗客が協力して助けた様子を撮影し、13年の同協会賞を受賞した読売の繁田統央記者と、東日本大震災後も福島県飯舘村で暮らす老夫婦を追った写真で同賞国内企画部門の奨励賞を受けた毎日の須賀川理記者が登壇した。関東地方が記録的な大雪に見舞われる中、二人の撮影秘話に53人が耳を傾けた。

 繁田記者は昨年7月22日、現場に偶然居合わせ、スマートフォンで乗客らの様子を撮影した。予想外の事態に直面したときの写真記者の心構えとして「記者である前に人間であるべきだ」と話した。自身と被写体の安全が確保されていることを確認してから撮影すべきだという。受賞作については「写真に写った皆さんが受けた賞だ」と語った。

 須賀川記者は震災後の11年6月、取材で全村避難後も飯舘村で暮らす佐藤強・ヒサノ夫妻と知り合った。撮影を拒む二人と人間関係を作るところから始めた。二人の元に足を運ぶ中、13年3月にヒサノさんが他界。受賞作は、前年の春に撮った縁側から桜を見る二人の写真と、13年の春にヒサノさんの遺影と並んで桜を見る強さんの写真だ。須賀川記者は「普通の企画写真には準備が必要だが、これは意図的な作品ではない」と話した。いずれは、元気に農作業にいそしむ強さんを撮りたいという。

 続いて同協会の花井尊事務局長を司会にパネル討議が行われた。

 スマートフォンの普及といった環境の変化が与える影響に関し、繁田記者は「誰もが撮れる時代だからこそ、新聞社の信頼性に裏打ちされた写真に価値がある」と話した。須賀川記者は「速報性では、事故等の現場に居合わせた一般の人にかなわない。独自性、企画力が問われる」と述べた。

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