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スポーツ写真の権利で講演 東日本大震災アーカイブ解説 資料管理講座

 新聞協会主催の第46回資料管理講座が2月27、28の両日、事務局会議室などで開かれ、新聞・通信・放送各社のデータベース事業担当者ら37社63人が参加した。初日はスポーツ写真に関する権利や、新聞社が保有するコンテンツの活用方法について講演を聞いた。

 日大大学院知的財産研究科教授を務める金井重彦弁護士は、「報道機関のためのスポーツビジネスと法」と題して講演した。スポーツの写真・映像の権利処理は、明文化された法律ではなく、契約と「ソフト・ロー」(慣習や不文律)で規律されることが多いと指摘した。その上で、芸術的要素が含まれるフィギュアスケートなどを除いてスポーツ競技自体は著作物でないため、著作権法の保護対象ではないとの考えを示した。また、スポーツ中継の放送権について、法的根拠はあいまいだとした一方で、会場内に放送席を設け、撮影機材の持ち込みを認めるかどうかといった主催者の施設管理権で説明できると述べた。

 スポーツや娯楽分野の写真利用における報道・商業目的の境界線については、被写体の顧客吸引力(パブリシティー)を利用するものが商業利用、公的存在として公の関心事を伝えるものが報道利用だと定義した。また、パブリシティー権は消滅期間に法律の規定がないことから、本人の死後に写真を商業利用する際は、遺族や管理団体に許諾を得るべきだと指摘した。

 首都大学東京システムデザイン学部の渡辺英徳准教授は「東日本大震災アーカイブ」について説明した。同アーカイブは、朝日から被災者の証言をデータで提供してもらい、検索大手グーグルのオンライン地図「グーグル・アース」上で被災場所と合わせて表示する。このほか被災地の360度パノラマ写真や、地震発生後24時間に短文投稿サイト、ツイッターで発信された内容などを収録している。渡辺氏は、関連情報を多元的に表示するアーカイブの意義を強調した。

 また、同様の取り組みとして、長崎が1993年から始めた連載を基に構築した「ナガサキ・アーカイブ」を紹介した。被爆者の証言をインターネットで公開するには、本人の承諾を得る必要がある。渡辺氏は同社がインターネットの普及以前から許諾をあらかじめ得ていた点を評価した。

 2日目は東京・永田町の国立国会図書館を見学した。書庫や新聞資料室を見学したほか、資料の保存方法について説明を受けた。

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