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制度見直しに意見表明を 個人情報保護で堀部氏講演 マス倫懇研究会

 第12期第7回マスコミ倫理懇談会「メディアと法」研究会は3月3日、新聞協会会議室で開かれ、特定個人情報保護委員会の堀部政男委員長(一橋大名誉教授)が、日本における第三者機関による個人情報の管理(プライバシー・コミッショナー制)について講演した。見直しが進められている個人情報保護制度について、「過剰反応や表現の自由との関係を、メディア内で検討し、しかるべき時に意見を表明すべきだ」と述べた。

 委員会は、共通番号(マイナンバー)制度で国民一人一人に割り当てられる社会保障と税の番号に関する情報の取り扱いを監督する。適正に取り扱われているかを委員会が管理する特定個人情報は、マイナンバーやそれに関連する情報と定義されており、その範囲は全国民への番号通知開始から1年後の2016年10月をめどに見直すこととなっている。

 しかし、昨年6月に政府が閣議決定した「世界最先端IT国家創造宣言」で、見直しが早まる可能性が出てきた。宣言は、新産業の創出を目指しオープンデータやビッグデータを活用するとしている。個人の行動にまつわる情報であるパーソナルデータの取り扱いについて、商業利用とプライバシー保護の両立が可能になるよう、年内に経済産業省の個人情報保護ガイドライン見直しに着手するとした。堀部氏は「当初、個人情報保護法改正案が17年の通常国会に提出される見込みだったが、15年の通常国会で審議される可能性が出てきた」という。

 この宣言を受け、政府のIT総合戦略本部の下に設置されたパーソナルデータに関する検討会は、今年6月に制度の見直しについての大綱を発表する。過剰反応や表現の自由との関係など、報道に関わる問題について堀部氏は「データの商業利用を促すという観点から議論を進めているため、そこに議論は至っていない」と説明した。

 また、委員会は現状、特定個人情報以外に監督権が及ばないことから、第三者機関としての国際基準を満たしておらず、欧米諸国とビッグデータなどの流通はできない状態だ。堀部氏は「個人情報を保護しながら活用するという発想で、自主性や独立性、権限の担保など、諸外国の制度と調和の取れた環境を整備する必要がある」と話した。

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