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第6回メディア戦略セミナー デジタル時代の経営で討議 角川氏「実店舗の活用が重要」

 新聞協会主催の第6回メディア戦略セミナーが3月12日、「2020年を見据えたメディア経営」をテーマに日比谷コンベンションホール(東京都千代田区)で開かれ、新聞・通信・放送の経営幹部ら47社110人が参加した。基調講演で出版大手KADOKAWAの角川歴彦取締役会長は、インターネット事業者の攻勢に対抗するためには実店舗を活用した取り組みが重要だと述べた。朝日の西村陽一取締役デジタル・国際担当、日本テレビの若井真介編成局メディアデザインセンター長、企業のマーケティングを支援するアジャイルメディア・ネットワークの徳力基彦取締役CMO(最高マーケティング責任者)が登壇したパネル討議では、デジタル時代に即した経営の将来像について意見が交わされた。

 角川氏は、アマゾンのネット通販やアップルの音楽・映像配信サービスの影響で多数の書店やレコード店が閉店した米国と比べ、日本は大型書店などの実店舗が維持されている点に強みがあると指摘した。販売網の活用が新聞社の事業強化に結びつくとして、「販売所が健全なうちに次の一手を打つことが重要だ」との考えを示した。また、知的財産が企業戦略の中核になると強調し、人気コンテンツを書籍や漫画、映画など複数メディアで展開させることが自社の強みになっていると述べた。

 パネル討議で西村氏は、デジタルに対応した新たな報道手法として、ビッグデータ解析や記者のツイッター利用などを紹介した。昨年6月に設立したメディアラボで新たな商品・事業の開発に取り組むなど、朝日ではデジタル時代に対応した組織改編や研究が進んでいると述べた。

 若井氏は、新たな技術を取り込んで番組コンテンツの価値を高めることが課題だとし、「番組のクリエーターにツールをうまく使わせることが重要だ」と述べた。リアルタイム視聴に結びつける方策として、テレビ視聴とスマートフォン利用を融合させたサービス「JoinTV」を紹介した。

 徳力氏はテーマを特化した専門サイトの出現で、パッケージ型メディアとして読者に情報を届けていた新聞の優位性が揺らいでいると指摘した。

 進行役を務めた電通の北原利行電通総研メディアイノベーション研究部研究主幹は、新聞の信頼性だけでは購読に結びつかないとして、「これからは好きになってもらわないと選ばれにくい」と述べた。その上で、下野新聞社が取り組むニュースカフェを例に、双方の顔が見える交流の機会が必要だとの考えを示した。

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