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東日本大震災3年 風化させない報道を 福島2紙の編集局長講演 マス倫懇月例会

 東京地区マスコミ倫理懇談会の3月例会が13日、新聞協会会議室で開かれ、福島民報社の佐藤光俊取締役編集局長と福島民友新聞社の菅野篤編集局長が、東日本大震災からの復興をめぐる福島の現状や課題について講演した。佐藤氏は「古里に戻れない避難者に寄り添いながら、関連死を人災と位置付けて新たな賠償制度の構築を提言するなど、県民の命と暮らしを守る報道を続ける」と話した。菅野氏は「震災3年の節目で報道はかなり増えたが、この後一気に風化が進む恐れもある。風化させないために何ができるのかを考え続け、注目されるニュースや企画を発信し続けたい」と語った。

 8万8080人が県内、4万8364人が県外に避難している福島県。11市町村に設定されていた警戒、計画的避難の両区域は、昨年8月までに避難指示解除準備、居住制限、帰還困難の3区域に再編された。今年4月には準備区域である田村市の一部で初めて避難指示が解除される。しかし、再除染や賠償など課題は山積しているという。

 佐藤氏は「震災関連死を原発事故関連死と位置付けキャンペーン報道を展開している」と話す。避難生活の長期化で住民は肉体的、精神的に疲労しており、県内の震災関連死亡者数は昨年12月に直接死亡者数を上回った。

 復興庁が昨年3月に発表した調査結果によると、関連死と認定された人たちは平均で7回も避難所などを移動していたことが分かっている。佐藤氏は「避難の長期化で関連死の認定は困難になっているが、家族がなぜ死んだのかを明らかにしたいというのが遺族の思いだ」と話した。

 菅野氏は「2014年は、具体的に復興や賠償を進めないといけない大切な年になる」と強調した。復興や賠償が進めば住民の間の格差は拡大することになるが、「復興の影で広がる被災者、被災地の矛盾やタブーを掘り起こし光を当てていかないと、本当の解決はないのではないか」と考え、踏み込んだ報道をしているという。

 一方、この3年間で復興支援の一環として開かれた大規模なイベントが100件以上あることや、研究機関や工場の誘致が増えていることも紹介。「厳しい環境の中でも、新しい県を作っていくために前を向いて歩いていることを忘れないでほしい」と訴えた。

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