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「中国の対日戦略に向き合って」 ボーン・上田賞 城山記者が講演 ニュースパーク

 新聞博物館(ニュースパーク、横浜市)で3月29日、2013年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞者講演会が開かれ、時事通信社の城山英巳中国総局特派員が「理性的な日中関係構築のために~『反日』と言われる現場からの報告」と題して講演した。中国では、インターネットの発達で共産党による言論支配が揺らぎ、以前は聞こえなかった個人の意見が聞こえるようになった。聴講した76人に城山氏は、「党の考えを伝えることは大切だが、改革派の声を伝えることも重要だ。日中関係改善のために、多様な意見を伝えることを、記者として大切にしている」と話した。

 尖閣諸島の国有化以降、日中関係は急速に悪化している。城山氏は「中国の主張は本当に正しいのか、中国側の資料で事実を掘り起こしたいと考えた」という。外交文書を一つ一つ確認した結果、「尖閣諸島は古来から台湾の一部」という中国の主張の論拠は、後から付けたものだったことが分かったと述べた。

 それを示す文書の存在を中国政府は認めたが、無署名の参考資料であり公式な資料ではないと反論している。城山氏は「文書の存在を認めない恐れもあったので、少し安心した。しかし、この後、日中関係の資料が全て閲覧できなくなった。あまりの過剰反応に、ここまでやるかと驚いた」と話した。資料は現在も見ることができない状態だという。

 靖国問題と中国の関係については、「中国にとって靖国などの歴史問題は、国際社会を味方につけて反日論を広げるチャンスだ。国際社会から批判される暴力的なデモではなく、情報戦、世論操作に傾いており、極めて手法が巧妙になっていると感じる」と話した。

 また城山氏は、日中関係が悪化していく中で、「中国の対日戦略とどう向き合っていくか、一人一人が真剣に考えるべき時期だ」と呼び掛けた。

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