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ニュースパークで「笹本恒子100歳展」開幕 日本初の女性報道写真家

時代切り取る134作品 東京・共同と共催

 新聞博物館(横浜市、ニュースパーク)で4月5日、東京新聞、共同通信社共催の企画展「日本初の女性報道写真家 笹本恒子 100歳展」が開幕した。笹本氏は日本最初の女性報道写真家といわれる。企画展では、戦前・戦後を彩った人物の肖像写真、さまざまな事件や出来事を捉えた写真など、時代を切り取った笹本氏の作品134点を展示している。

 9月に100歳を迎える笹本氏は、東京日日新聞(毎日新聞の前身)でカットを描いていた縁から1940年に財団法人写真協会の報道写真記者となり、日独伊三国同盟の婦人祝賀会などを撮影した。戦後も進駐軍のいる東京の風景や安保闘争、美空ひばりや大宅壮一といった時代を代表する著名人などを取材した。

 60年すぎに一度は現場を離れたが、80年代半ばに復帰。社会参加が難しかった時代に活躍した女性たちの姿を後世に残そうと、明治生まれの女性にカメラを向けた。企画展の第1章「明治生まれの女性たち」では女流作家の宇野千代や、美容家の吉行あぐりが娘・和子の髪を切っている写真など、明治生まれの女性が年齢を重ねながらいきいきとしている様子を切り取っている。

 第2章「あの時代、あの人」では、主に昭和に活躍した著名人の写真を紹介する。華々しさだけではなく、日常の意外な一面も見られる。女優の高杉早苗と夫・3代目市川段四郎が庭でむつまじく過ごす写真の前で横浜市の赤岩千江子さん(81)は、「懐かしい人の普段見られない貴重な姿が確認でき感激だ」と話した。

 第3章「笹本恒子が見た時代」には、戦前のヒトラーユーゲント(ドイツのナチス党青少年組織)の来日から、連合国軍の進駐、昭和の大喪の礼まで世相を感じることができる写真が並ぶ。高校で地歴・公民を教える横須賀市の櫻井拓実さん(24)は、「進駐軍の兵士と日本女性の付き合いは教科書には詳しく載っていない。生徒には写真を見て、教科書から抜け落ちている歴史を学んでほしい」と話した。

 第4章は「いつまでも現役……笹本恒子さんの今」と題して、パリの街並みなど近年のカラー写真を見ることができる。

 企画展初日に来館した笹本さんは、「多くの人に来館していただいているようでうれしい。激動の昭和を見て知っていただきたい」と語った。

 企画展は6月1日まで開催する。問い合わせは新聞博物館(電話045・661・2040)まで。

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