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報道の適用除外、明確化を 個人情報保護法改正に意見 編集委

 新聞協会編集委員会は5月19日、個人情報保護法改正に向け見直し作業を進める政府のIT総合戦略本部「パーソナルデータに関する検討会」(座長=宇賀克也東大大学院教授)に対し、現行法が認める報道分野の適用除外について明確化することなどを求める意見書を提出した。人権・個人情報問題検討会の八木谷勝美幹事(日経・社会部長)と山本修司副幹事(毎日東京・社会部長)が、政府IT総合戦略室の担当者に手渡した。

 政府は昨年6月に閣議決定した「世界最先端IT国家創造宣言」を受けパーソナルデータに関する検討会を設置。新たなビジネスやサービスの創出、既存産業の活性化を目指し、個人の行動にまつわるデータであるパーソナルデータの利活用を図るため、個人情報保護制度の見直しを進めてきた。6月に大綱をまとめるとしている。論点は、監督組織となる独立した第三者機関(プライバシー・コミッショナー)の創設、本人によるデータ開示請求権の明確化、匿名化された情報への規制拡大など、多岐に及んでいる。

 新聞協会は個人情報保護法について、かねて国民の知る権利に十分応えるため、報道など公共・公益目的活動への配慮をより明確にする改正が必要だと表明してきた。意見書は「第三者機関の創設など保護法制の根本的な転換を目指しながら、報道目的との調整といった基本的な議論を行わずに作業を進めつつある」と指摘。「憲法で保障された表現の自由や、報道の自由への配慮は個人情報保護法体系整備の前提条件とはいえ、立法化の行方に懸念を抱かざるを得ない」と危惧を示した。

 その上で、現行法の規定同様に報道分野の個人情報・プライバシー保護策は報道機関の自主的な取り組みに委ね、法規制の適用除外とすべきだと訴えた。さらに、「この配慮は報道機関への協力行為にも及ぶ必要がある」として、個人情報保護法の第三者提供禁止の例外規定に「報道等への提供」を明記するなどの法改正も実施すべきだと主張。大綱に明記し、立法過程で具体化することを求めた。

 第三者機関は、包括的にプライバシーの権利や利益を保護する観点から、苦情処理や事業者への監督・指導、課徴金などの行政処分権限を有する執行機関が想定されている。影響が及ぶ範囲が明確でなく、広範囲に及ぶことも予想されることから、「第三者機関の権限や機能を具体的に検討する上でも、適用除外の確認は検討議論の前提に置かれるべきだ」とした。

 さらに、見直し作業が短期間で進められており、必要な議論が尽くされているとは言い難いとし、大綱決定前に新聞協会に意見表明の機会を設けることも要望した。

 新聞協会は2009年3月、個人情報保護法のフォローアップを行う内閣府(当時)の国民生活審議会個人情報保護部会で、過剰反応や情報隠しといった問題点が改善される見込みがないとして、報道機関への情報提供など個人情報の有用性に配慮した改正を行うべきだと主張していた。

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