1. 日本新聞協会トップページ
  2. すべてのヘッドライン
  3. 新聞協会ニュース
  4. 紙面審査の在り方を討議 STAP細胞報道で意見交換 全国懇談会

紙面審査の在り方を討議 STAP細胞報道で意見交換 全国懇談会

 第54回紙面審査全国懇談会が5月29日、事務局会議室で開かれ、紙面審査部門の現状やSTAP細胞問題をめぐる科学報道の在り方をテーマに記事・紙面審査担当者ら30社41人が意見交換した。このほか、政府の情報保全諮問会議の委員を務める清水勉弁護士が、特定秘密保護法について講演した。

 紙面審査の現状に関し、朝日東京の山川富士夫記事審査室長兼紙面オンブズパーソンは、「デジタルレビュー」について説明した。紙面審査結果を社内に伝える「記事審査リポート」に昨年6月から週1回載せており、電子版独自記事の審査結果やデジタル分野の動向について扱うという。

 読売東京では2年ほど前から記事の講評をまとめた「記事審査日報」で、不自然な表現を指摘して新聞記事になじむ言い回しの具体例を提案するコーナー「日本語庵」を週2回掲載している。中村明紙面審査委員会委員は「細かいところをつつくだけでなく、紙面品質向上を目指している」と説明した。

 毎日東京は昨年4月から、編集幹部らによる紙面部長会での議論の一部を、ニュースサイトで一般公開している。記事編集に携わる社員向けに社内イントラネットで公開している議事録のダイジェストを読者に公開している。吉田弘之新聞研究本部長は「内部の考えを外部に出すようにしている。今後は内容を充実させたい」と述べた。

 STAP細胞をめぐる報道についても議論した。朝日東京の山川氏は、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーの服装や私生活に焦点を当てた記事について、「人柄を描くことで読者の興味に応えた」と掲載当時の判断を示した。一方で、読者モニターからは「個人のプライバシーに踏み込んでいる。研究者が男性だったら同様な報道になっていたか疑問だ」との感想もあったという。

 共同の粟村良一人材育成・研修本部記事審査グループ長は、論文がネイチャー誌に掲載されたことと、研究者が所属する理研からの発表だったことで、「正しいのかを検証するすべもなく受け入れてしまった」と述べた。研究者の人物像に焦点を当てた記事については、「今後も書くだろうが、どう書き方を制御するのかが今回の反省材料だ」と話した。

 このほか出席者からは、今後の科学的大発見の報道は抑制的にならざるを得ないとの懸念も示された。

 清水氏は政府の情報管理について、「特定の情報だけ厳格に管理することは不可能だ。公文書管理法の全面見直しは避けられない」と述べ、情報管理が全面的に厳しくなり、政府情報の取得は難しくなるとの見通しを示した。

 報道機関に強制捜査が入った場合については、捜査対象を明確にさせることで「提出せざるを得ないものとそうでないものをいかにして切り分けるかが重要だ」と述べ、捜索差し押さえの対象を最小限にとどめることが必要だと指摘した。その上で、「紙面で大々的に報じれば強制捜査には至らないのではないか。秘密を報じる場合でもイレギュラーな形で出てしまうと強制捜査の危険性が高い」と、外務省機密漏えい事件を例に考えを示した。

ページの先頭へ