個人情報保護法改正へ大綱案まとまる

政府、来年通常国会に法案

 政府のIT総合戦略本部「パーソナルデータに関する検討会」(座長=宇賀克也東大大学院教授)は6月19日、個人情報保護法改正に向けた大綱案をまとめた。同本部は今週中にも大綱を決定し、7月には意見募集を実施する。寄せられた意見を踏まえ、政府は改正法案を来年の通常国会に提出する方針だ。

 政府は昨年6月に閣議決定した「世界最先端IT国家創造宣言」を受け、IT総合戦略本部に検討会を設置。新たなビジネスやサービスの創出、既存産業の活性化を目指し、個人の行動にまつわるパーソナルデータ活用を図るため、個人情報保護制度の見直しを進めてきた。

 大綱案では、個人が特定できないよう加工したデータについて、本人の同意がなくても、企業などが第三者に提供できる方針を示した。また、勧告・命令や立ち入り調査などの権限を持つ第三者機関の設置を盛り込んだ。

 9日に公表された事務局案で、本人の同意なく取り扱うことを「禁止する」としていた人種、信条、前科・前歴などの機微情報については、「禁止するなどの慎重な取り扱いとすることについて検討する」との文言に修正された。

 新聞協会は先月19日、検討会に対し、報道との調整といった基本的な議論がなされずに見直しに向けた検討が進められているとして、現行法が認める報道分野の適用除外について明確化することなどを求める意見書を提出している。今月10日には、編集委員会の下部組織「人権・個人情報問題検討会」の八木谷勝美幹事(日経・社会部長)らが、事務局を務める政府IT総合戦略室の内閣参事官と意見交換し、個人情報保護と取材・報道の自由とのバランスについて議論を深めるよう求めた。個人情報の概念が拡大することで新たな萎縮効果が生じる恐れや、第三者機関の権限が報道機関に及ぶことへの懸念も伝えた。

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