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分かりやすく、論点整理を 東京・半田滋論説兼編集委員 集団的自衛権の報道で マス倫月例会

 東京地区マスコミ倫理懇談会の例会が7月28日、新聞協会会議室で開かれ、「集団的自衛権と自衛隊」をテーマに東京の半田滋論説兼編集委員が講演した。半田氏は「世論調査で集団的自衛権容認への賛否を問うと、分からないと答える人が最も多い。メディアは論点を整理し、読者に分かりやすく愚直に説明することが欠かせない」と話した。

 政府は先月1日、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。安倍晋三首相は記者会見で、集団的自衛権が行使できなければ、紛争地から避難する日本人を乗せた米艦を自衛隊が警護できないなどとして、行使容認に理解を求めた。これに対し半田氏は、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)は、日米それぞれが責任を持って自国民を退避させると定めている。米艦は日本人を乗せない」と反論。国連平和維持活動(PKO)に従事する自衛隊員が、武装集団に襲撃された民間人を「駆け付け警護」できるとする点についても、「かつてイラクで人質になった女性は、自衛隊が来たら自分たちは殺されると思ったという。こういう場合、軍隊は出て行かないのが常識だ」と指摘した。

 朝鮮半島の戦争に自衛隊が関われば、何らかの武力行使をすると北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は主張している。中国・九州地方は、北朝鮮のミサイルの射程圏内に入る。半田氏は「原発に当たれば半径250キロが壊滅する。原発は全国に55か所あるが、日本のミサイル防衛システムでは東京など14か所しか守れず、自衛戦争さえおぼつかない。政府は集団的自衛権を行使した後のことを考えていない」と批判した。また、自衛隊がイラク戦争に派遣された前後に、防衛大では退校や任官拒否が急増、任官後の早期退職も増えた。半田氏は、集団的自衛権の行使容認により、自衛隊の維持も困難になるとの見解を示した。

 参加者からは、報じる上で心掛けたことについて質問があった。半田氏は「論点を明確にすべきだ。秋のガイドライン改定を見据えての今回の閣議決定であることなど、全体の構図を見せることも大切だ」と答えた。

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