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個人情報流出と管理で講演 紀藤正樹弁護士 マス倫月例会

「アクセス権の制御が必要」

 東京地区マスコミ倫理懇談会の9月例会が17日、新聞協会会議室で開かれ、消費者問題に詳しい弁護士の紀藤正樹氏が、個人情報流出の現状と危機管理をテーマに講演した。7月に発生したベネッセの顧客情報大量流出事件について、1998年のテンプスタッフ個人情報流出事件などを担当した立場から、「過去の訴訟でアクセス権の制御や、大容量記憶装置が接続できない端末での管理の必要性が指摘されていた同じような事件が起きるのは問題だ」と語った。

 紀藤氏は、個人情報保護の問題のほとんどは消費者問題だとの考えを示した。約2895万件が流出したベネッセの事件では、1件の中に保護者と子供両方の情報が含まれている点などを挙げ、補償金額の500円は安いと主張した。一方で、補償額の合計は200億円以上になるという。

 また、企業機密に比べ顧客情報の流出が多いのは、企業が顧客情報を管理するシステムに、機密管理ほど投資していないのではないかと指摘した。

 ベネッセの事件では、顧客情報を不正に持ち出した元システムエンジニアの男が、不正競争防止法違反(営業秘密の複製)罪で起訴されている。事業者を対象とする現行の個人情報保護法は、個人の罰則規定が設けられていない。来年の通常国会提出に向けて議論されている改正法では、罰則規定が導入される可能性もある。

 また、個人の社会的評価を低下させた場合は名誉毀損(きそん)で刑事告訴できるが、単体でみれば社会的評価に影響を与えないプライバシーは、侵害しても包括的に処罰する法律がなく、保護の必要性が増していると指摘した。ただし、日本はプライバシーへの反応が過剰だとし、「プライバシーで情報公開を制限しようという概念のない諸外国に比べ、日本は遅れている」と述べた。

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