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石川文洋写真展が開幕 ベトナムと沖縄の現実写す ニュースパーク

沖タイと共催

 新聞博物館(ニュースパーク、横浜市)で10月25日、沖縄タイムス社との共催による企画展「石川文洋写真展『ベトナム戦争と沖縄の基地』」が始まった。沖縄県出身のカメラマン・石川文洋氏がこれまでに撮影してきた、ベトナム戦争の最前線や、基地問題で揺れる沖縄の写真155点を展示。石川氏は「戦争はどのようにして起こるのか。想像力を働かせるためにも、戦争の現実を知ってほしい」と、企画展に込めた思いを話している。

 石川氏がベトナムでの取材を始めてから今年で節目の50年を迎える。ベトナム戦争では米軍に同行し、故郷を奪われる人々の姿を捉えてきた。戦争終結後も引き続き枯れ葉剤の影響や不発弾に苦しむ民衆、変わりゆく街の様子などを写してきた。太平洋戦争で地上戦を経験し、米軍基地が置かれる故郷・沖縄も撮影し続けている。

 企画展は、ベトナム戦争の惨状を紹介する九つのコーナーと沖縄の実情を捉えた写真を展示。米兵の姿を写した「ベトナムのアメリカ兵」のコーナーから始まる。さいたま市の主婦の関根愛子さん(65)はおびえながら戦地に向かう米兵の白黒写真を見て、「戦争に行く米兵も普通の人。戦争とは何かということを喚起させる力がある写真だ」と感想を述べた。ベトナム東南部タイニン省での作戦を追った「或(あ)る村の作戦」、石川氏が同行した「南ベトナム政府軍」、ゲリラ戦を展開した「南ベトナム解放民族戦線」などのコーナーが続く。

 戦場となった街でビンロウを売っていた少女が、母親になり家族に囲まれる―。終戦以降のベトナムの発展を追った「戦争終結40周年」では、ベトナム戦争時と終戦後再会して撮った同一人物の写真が並ぶ。初日に開かれたギャラリートークにも参加した神奈川県小田原市の野地一雄さん(53)は「戦後もしっかりと生きている人の写真を見ると、『命(ぬち)どぅ宝』という石川氏の発言の深みを理解できる」と語った。

 「沖縄米軍基地」は、嘉手納基地からベトナムに飛び立つB52爆撃機、宜野座村のキャンプ・ハーディーでの軍事訓練など、ベトナム戦争の最前線基地だった沖縄を捉えた写真を展示。米軍普天間基地の新型輸送機MV22オスプレイ、辺野古での基地移設反対運動をはじめ、近年の沖縄の状況も伝えている。

 沖縄タイムス社写真部の大城弘明氏は「戦争は人を殺すことだ、という実態を若い人にこそ見てほしい」と語った。

 会期中の11月22日に石川氏の講演会、翌23日には映画「石川文洋を旅する」の上映会とトークイベントを開く。メールかはがきで申し込む。問い合わせは同館(電話045・661・2040)まで。

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