朝日・木村社長が辞任へ

 朝日新聞社は11月14日の臨時取締役会で、木村伊量代表取締役社長が東京電力福島第一原発事故をめぐる「吉田調書」の記事や慰安婦報道の取り消しなど一連の事態の責任を取って辞任し、後任に渡辺雅隆取締役管理・労務・WLB・コンプライアンス担当が就く人事を内定した。代表権のある会長に、飯田真也上席執行役員東京本社代表・消費税対策統括・教育事業担当が就任する。木村社長は取締役も辞任し、特別顧問に就く。役員人事は12月5日の臨時株主総会と臨時取締役会で正式決定する。

 木村社長は14日、慰安婦報道検証紙面で誤報を取り消しながら謝罪をしなかったことや、池上彰氏のコラムの掲載を一時見合わせたこと、「吉田調書」をめぐる報道を取り消したことなどで、社会や読者の信頼を大きく傷付ける結果を招いたとして、「あらためて深くおわびする」との談話を発表した。15日付朝刊にも掲載した。

 木村社長は談話の中で「過去の負の歴史に光をあてる報道やジャーナリズムの本質的な役割である調査報道で、誤報や記事取り消しを招いたことは痛恨の極みだ。簡単に皆さまの信頼を取り戻せるとは考えていない。再生への道を一歩ずつ歩もうとしている朝日新聞を引き続き、厳しく見守っていただきますよう心からお願い申し上げます」と述べた。

 このほか、経営陣としての責任を明確にするため、危機管理の統括役だった持田周三常務取締役大阪本社代表・大阪中之島プロジェクト担当と、吉田調書問題で9月12日付で編集担当の職を解かれた杉浦信之取締役社長付がそれぞれ取締役を辞任する。慰安婦報道検証や池上氏のコラム掲載などで危機管理を担っていた福地献一取締役財務・東京五輪スポーツ戦略担当兼社長室長は取締役を辞任し執行役員に降格、喜園尚史執行役員知的財産・広報・ブランド推進・環境担当は執行役員を辞任する。

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