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仮想化技術、デジタル印刷で講演 新聞製作講座開く 新聞協会

 新聞協会主催の第61回新聞製作講座は11月20、21の両日、TOC有明(東京都江東区)で開かれ、新聞・通信社やメーカーなどから535人が参加した。初日は上流・下流部門に分かれて実施。新聞社の事例報告として、日経と福井がデジタルサービスの戦略について、読売が仮想化技術による印刷工場のシステム更新について、それぞれ講演した。2日目の上流・下流合同講座は、デジタル印刷機を導入した朝日、静岡の事例や、中日のハイブリッド印刷の取り組みについて聞いた。

 朝日は11月、東京本社でデジタル印刷機を試験導入した。その狙いを、多品種・少部数印刷への活用に向けた技術課題の検証だと高田良一製作担当補佐は説明した。オフセット輪転機と比べて用紙やインキのコストが高いため、他業界と連携しコスト削減を図っていきたいとの考えを示した。直前にメーカーから引き渡しを受けたばかりのデジタル機で印刷したブランケット判4ページの新聞も配布した。

 静岡の子会社「ハワイ報知」は3月、東京機械製のデジタル印刷機を導入した。タブロイド、ブロードシート、マガジンなどさまざまな判型の36媒体を、250部から1万6千部まで印刷。1万部以下の少部数印刷が半数以上を占めている。現在は早朝に全国紙の北米版を、昼間に現地紙を印刷している。稼働の少ない夕方から夜の時間帯に米国紙を受注したいと考えているが、セクション(分冊)への対応が課題だという。

 中日の畔柳佳正技術局印刷技術部長は、オフセット輪転機とコダック製のデジタル印刷装置を組み合わせ、一部ごとに異なる情報を刷り分けることができるハイブリッド印刷の運用事例について説明した。

 これまで5回の特集紙面で活用した。ビンゴやおみくじとクーポン広告を組み合わせた企画に始まり、10月には3回、イベントの来場促進を狙った広告特集を発行した。住宅フェアの広告企画には、13種類の動物から3種類をランダムに印刷、会場で絵合わせの抽選を行った。2日間の来場者は1万4千人余りと、イベントへの誘引には非常に有効だという。

 オフセット輪転機の紙面検査装置は可変印刷部分を全て汚れと判断する。そこでデジタル印刷ユニットは紙面検査後に取り付けているため、可変部分のインキ垂れや印字抜けなどをチェックできないことが課題だと、畔柳氏は指摘した。

 印刷工場で進める仮想化技術を活用した生産設備のシステム更新について、読売東京の田久保俊章制作局技術二部主任が報告。東京本社管内では東京北、鶴見、塩浜、郡山の4工場で導入している。

 仮想化技術は仮想基盤サーバーに複数システムの機能を割り当てるもので、パソコン端末の故障やオペレーティングシステム(OS)のメーカーサポート終了後の場合でも、同じアプリケーションソフトを使い続けることができる。複数システムの集約により約30~40%の費用削減につながったほか、ハードウエアの信頼性が向上したという。

 このほか、上流では「情報セキュリティー対策」「新聞業界共通プラットホームの必要性」をテーマにした講演があった。下流では、輪転機のメンテナンスと予防保全について、メーカーの担当者が具体的な事例を報告した。

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