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「戦争を次世代に」 石川文洋氏、カメラマンの役割を講演 ニュースパーク

 新聞博物館(ニュースパーク、横浜市)で11月22日、開催中の企画展の関連イベントとして、石川文洋氏による講演会が開かれた。ベトナム戦争や平和を題材にした撮影秘話に、117人が耳を傾けた。

 石川氏は米軍や南ベトナム政府軍に従軍してベトナム戦争を取材。「自由に取材できた最後の戦争だった」と話した。故ケネディ元大統領のもとで米国が報道に対して寛容な姿勢をとったからだという。戦場の実情が報道されたことで反戦活動も盛んになったが、「米国は戦争には負けたが、民主主義を守った」と評した。

 会場から特定秘密保護法について問われた石川氏は、満州事変の発生当時国民が真相を知り得なかったことに言及し、「国民がどんなことも知り得ることが平和に結び付く」と強調。集団的自衛権の閣議決定に対しても、戦争をしないための枠を維持することが重要だとした上で、「できるだけ開かれた場所で議論すべきだった」と批判した。

 ベトナムでの取材中に直前まで乗っていた四輪駆動車が銃撃を受けるなど、死を間近に感じた体験についても語った。「戦場で生死を分けたのはほんの偶然だった。ベトナムで死ななかったからさまざまな体験ができた」と話し、沖縄の「命(ぬち)どぅ宝」という言葉を紹介した。講演を聞いた横浜市の会社員・星野光慶さん(30)は「生きていることが大事だという当たり前の話を、戦場で身近に死を経験した石川氏が語ることに重みを感じた」と感想を述べた。

 石川氏は、自宅のある長野県の学校で戦争の惨劇を伝える授業を頻繁に開いていることも紹介。「カメラマンは戦争の実情を撮って、伝えることが役割だ。これまで撮ってきたものを次世代に伝えていきたい」と、今後の積極的な活動への決意も述べた。

 翌23日は映画「石川文洋を旅する」が上映された後、石川氏のトークイベントが開かれ120人が参加した。

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