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朝日・第三者委 慰安婦報道の検証公表

「読者の信頼を裏切るもの」

 朝日新聞社の慰安婦報道を検証していた第三者委員会(委員長=中込秀樹元名古屋高裁長官、弁護士)は12月22日、記者会見を開き報告書を公表した。誤りを長年放置した点や記事取り消しの対応が不十分であったとし、「読者の信頼を裏切るもの」と指摘。報告書を受け渡辺雅隆代表取締役社長は同26日、会見を開き、社の見解と対応を発表。「経営と編集の関係」「報道の在り方」「慰安婦報道」を柱とする改革案を示した。

 報告書は、韓国・済州島で慰安婦を強制連行したと証言した吉田清治氏(故人)の証言の真偽に疑念が生じた後、検証を行わずに取り扱いを減らした対応について、「新聞というメディアに対する読者の信頼を裏切るものであり、ジャーナリズムの在り方として非難されるべきである」と指摘した。8月に記事を取り消す際に反対世論や他紙の論調を意識し謝罪しなかった点に対しては、「報道機関としての役割や一般読者に向き合う視点を欠いたもので、新聞の取るべきものではない」と非難した。

 第三者委はジャーナリスト・池上彰氏のコラム掲載を拒否した問題に関し、木村伊量前社長が実質的に掲載見送りの判断を下したと結論付けた。朝日は同日、掲載拒否に関し、役員3人を処分すると発表。編集担当だった杉浦信之前取締役(現・社長付)を出勤停止2か月、福地献一前取締役社長室長(現・執行役員)と広報担当だった喜園尚史前執行役員(現・広報担当付)を停職2か月とした。処分は1月1日付。

 朝日は会見翌日の23日付朝刊で、報告書について詳細に掲載し、あわせて吉田氏に関する記事2本の全文や一部を新たに取り消した。同社は8月5日付の検証紙面で吉田氏に関する記事16本を取り消していた。

 渡辺社長は会見で、「過ちを繰り返さないよう、改めるべきはしっかりと改め、経営や報道の在り方についての幅広い提言を誠実に実行する」と述べた。

 経営と編集の関係については、経営陣が編集の独立を尊重し、記事や論説の内容に介入しないと定めた。経営に大きく影響する可能性があり編集に関与する場合は、責任を明確にするようルール化するとした。

 報道の在り方では、誤りの速やかな訂正や、訂正報道の在り方の抜本的見直しの方針を示した。

 慰安婦報道については、誤りを長年放置してきたことをあらためて謝罪し、慰安婦の実像について多角的に発信する取材班を設置することを明らかにした。

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