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第三者委に監督権限を一元化 瓜生和久内閣参事官 個人情報保護法改正案で講演 マス倫研究会

 第13期第5回マスコミ倫理懇談会「メディアと法」研究会が3月30日、新聞協会会議室で開かれ、政府IT総合戦略室の瓜生和久内閣参事官が個人情報保護法改正案について講演した。参加者からは、法改正で過剰反応の拡大や報道機関に規制が及ぶことへの懸念が示された。

 改正案は3月10日に国会提出された。現行法は、各事業分野を所管する省庁が企業の個人情報管理・運用体制を監督・指導すると規定。法改正によって設置が明文化される第三者機関の「個人情報保護委員会」に、立ち入り検査などの権限が一元化される。同委員会が、現在は所管官庁が存在しない新聞・通信社をカバーすることになる。また、人種や犯罪歴、病歴などの情報を「要配慮個人情報」として保護の対象に加え、本人の同意を得ない取得を制限する。ただし、報道機関が報道目的で個人情報を扱う場合は、取得制限の規定は適用されない。

 同委員会は、共通番号(マイナンバー)制度の運用を監督する「特定個人情報保護委員会」を改組して2016年1月に設置される。各業界の監督官庁が持つ権限は17年1月に同委員会に移譲される見通しだ。専門的な事項を調査する場合、その都度、非常勤の専門委員を置くことができるとする規定が盛り込まれた。瓜生氏は調査の円滑化を図る措置だとした上で、報道機関に対する調査に当たっては、報道関係者を専門委員に加える意向を示した。

 研究会は、改正案の見直し作業を進めたIT総合戦略室「パーソナルデータに関する検討会」委員の宍戸常寿東大大学院教授、特定個人情報保護委員会の堀部政男委員長も聴講した。

 参加者からは、報道機関が保管する個人情報を営業活動に利用する場合、「報道」を規制対象外とする現行法第50条が適用されるかとの質問があった。堀部氏は「報道目的か事業目的かによって異なる。今後、『報道』や『報道機関』の定義を議論する必要がある」との見解を示した。

 このほか、改正により個人情報保護を名目にした過度な情報隠しや過剰反応が加速するとの懸念が示された。個人を識別できないよう加工した「匿名加工情報」について、瓜生氏が「一定の手続きを取れば情報を自由に使えるお墨付きを与える規制緩和だ」と述べた。これに対し参加者からは、改正案がビジネス利用を強く打ち出す反面、取材・報道の在り方に影響を与えることから、公益目的の情報利用について検討会で議論すべきだったとの指摘があった。瓜生氏は、法の見直しという限られた時間では公益利用に関わる議論が進まなかったと認め、施行後3年をめどに見直す規定で対応できると説明した。

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