1. 日本新聞協会トップページ
  2. すべてのヘッドライン
  3. 新聞協会ニュース
  4. 「新聞の報じ方、議論を」 ライター・藤井誠二氏 少年犯罪報道で講演 マス倫月例会

「新聞の報じ方、議論を」 ライター・藤井誠二氏 少年犯罪報道で講演 マス倫月例会

 マスコミ倫理懇談会全国協議会の5月度例会が11日、新聞協会会議室で開かれ、ノンフィクションライターの藤井誠二氏が少年犯罪報道をテーマに講演した。インターネット時代の少年犯罪をめぐる取材と報道について話したほか、被害者や遺族が加害者の情報を得る難しさにも言及。被害者の権利が拡大する一方で、課題も残っているとした。

 新聞協会は1958年、未成年者を特定できる情報を出版物に掲載してはならないとする少年法第61条を、将来の更生を重要視する観点からも、順守する方針を定めた。藤井氏は、出版社が事件の重大性によっては実名報道に踏み切ってきた一方、新聞・テレビは61条を守ってきたと分析。今年2月に川崎市の中学1年生の男子生徒が殺害された事件では、加害少年の自宅とみられる場所がインターネットで生中継された。「ネット上では加害者の情報が誤りも含めて垂れ流されている。取材のノウハウを持ち責任を持って報道している新聞・テレビが、伝えることの意義と向き合い、少年犯罪の報じ方についてあらためて議論していく必要があるのではないか」と訴えた。

 国民投票法の改正に関連し、少年法の対象年齢を18歳まで引き下げるべきかどうかという議論にも触れた。年齢引き下げに反対する側は、少年が持つ「成長発達権」を論拠に挙げている。藤井氏は、この権利は国連「子どもの権利条約」に基づいて定められており、18歳未満を子どもとする同条約に準じて年齢を引き下げるという議論も成り立つとの見解を示した。

 多くの事件被害者や遺族を取材する中で目の当たりにしてきた経験から、被害者らが加害者の情報を得る困難さについても説明した。たびたび改正を重ねてきた少年法では、遺族が家裁の審判を傍聴し、発言できるようになるなど、被害者側の権利が認められるようになってきた。それを評価した上で、判事の許可が出ないケースがあるなど依然として課題があると指摘した。

ページの先頭へ