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放送の自由めぐり講演 慶大・鈴木秀美教授  マス倫月例会

 マスコミ倫理懇談会全国協議会の7月度例会が15日、新聞協会会議室で開かれ、慶大メディア・コミュニケーション研究所の鈴木秀美教授が放送の自由と国家権力の関係をテーマに講演した。専門とするドイツの放送法制を踏まえ、日本の放送法の特徴や表現規制に対抗するための課題について話した。

 日本の放送行政は番組規律を放送事業者の自主規制に委ね、番組審議機関を設置して公衆を関与させる点が特徴だと説明。米、仏、独のように行政府から独立した合議制の機関でなく、独任制の総務大臣が監督する。監督機関の厳しいチェックを受ける他の先進国に比べ、日本の放送事業者の自由度が高い点を批判する自民党などは、立法趣旨を理解していないと指摘した。

 政治的に公平であることなどを定めた番組編集準則(放送法第4条)について、従来は表現の自由を考慮し、違反した場合の直接的な制裁措置がないものと解釈運用されてきた。しかし、1993年に全国朝日放送(現テレビ朝日)の放送法違反が疑われた「椿発言事件」以降、監督機関である郵政省(現総務省)などが制裁を視野に入れた法的規定だと解釈を変えてきたと解説。番組編集準則違反を理由とする番組内容への介入は表現の自由の侵害であり、憲法21条に違反すると述べた。

 今年4月、総務省がNHKの報道番組「クローズアップ現代」が放送法に抵触したとして行政指導を行ったことに触れ、行政指導で実質的な改善命令が出されている場合もあると指摘。国家権力の介入につながる番組編集準則は廃止すべきとの見解を示した。

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