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12回目迎えた「HAPPY NEWS」 新聞に触れるきっかけに
新聞協会が2004年度から始めた「HAPPY NEWSキャンペーン」は、今年で12回目を迎えた。若年層の無購読が増える中、新聞に触れてもらうきっかけを作りたいとスタート。継続して応募している大学や、受賞者の新聞活用のその後からキャンペーンの効果を探った。
ニュース接触の意識高まる
10年から継続して講義やゼミで「HAPPY NEWS」を活用している近畿大の金井啓子准教授は、「新聞に触れるきっかけを作る意味で効果的だ」と話す。マスメディア専攻だが新聞を購読したことがない学生もいるため、ゼミやジャーナリズムの実践を学ぶ講義の導入にキャンペーンを活用。難しい、暗いといった先入観から新聞を敬遠してきた学生たちが、ハッピーな記事を探すうちに複数紙を読み比べることもある。金井氏は「新聞の面白さを発見する学生もいる。取り組み方によっては各紙の報じ方の違いに気付くなど講義内容が深まることがある」という。
07年から学年単位で応募を続けてきた専修大付属高の柴田大介教諭も、「家庭で新聞に触れたことがない生徒もいるが、授業でHAPPY NEWSに取り組んだことで間違いなく読むきっかけになっている」と話す。13年からは「いっしょに読もう!新聞コンクール」に応募している。「新聞を使った授業を継続してきたことで、ニュースに触れようという意識が高まった。生徒たちのリテラシー能力も向上した」と成果を語った。
家庭内に会話
20~30代の若い親世代の無購読が課題となる中、家庭でのコミュニケーションのきっかけになると家族で応募するケースも増えている。
09年の「HAPPY NEWS一般」に選ばれた愛知県の平田万里さん(30)は、「最近は面白いと思う記事を見つけると、娘たちにも読み聞かせている」という。5歳と3歳の子供たちが今一番興味を持っているのは新幹線の記事だ。幼い頃から一緒に新聞に親しんでおり、記事を介した会話もできるようになってきたという。
「新聞社にとってもいいPR材料になるし、励みにもなる」と話すのは北海道新聞の寺沢純取締役経営企画局長。12年に同紙の読者が大賞を受賞した際、オリジナルのPRチラシを制作し試読紙に折り込んだ。しかし、キャンペーンを知らない無購読者も多いため、認知度をさらに高める仕掛け作りが課題だと指摘する。「NIEとの連携を深めたり、図書館と提携したりしてはどうか」と提案する。
今年度は切り抜いた記事や広告を貼って楽しむ「ハッピースクラップ帳」を作成し、ワークショップを開くなど新たなPRも始めている。また、加盟社推薦の若手モニターがハッピーな記事を紹介する「HAPPY NEWS特派員」企画など、若年層に向けた新たな取り組みも広がっている。
ハッピースクラップ帳企画では、小中学校教員向けの研修会で活用するなど、NIEとの連携を始めている。
福島民報の荒木英幸東京支社長は「親子で工作しながら新聞に親しむというのはいい取り組みだ」と話す。無購読世帯で育った30代の親世代が増えている。親子で取り組むことで、子供だけでなく若い親たちにも新聞に親しんでもらうきっかけを作れるという。同社では子供を対象にした主催事業などで同企画の活用を検討している。