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新聞、発展的学習につながる 7月30、31日に秋田でNIE大会

 7月30、31日に秋田市で開かれる第20回NIE全国大会で、学力と新聞活用をテーマに、全国学力・学習状況調査で上位の秋田・福井の学校教師が登壇するシンポジウムが予定される。次期学習指導要領改定に関する文部科学大臣から中教審への諮問で、思考、判断、表現の力を育むことに加え、課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」が言及されるなど、求められる学力が変わってきている。今、新聞に期待されていることは何か―。全国学力・学習状況調査の研究に携わった研究者、秋田、福井の教育関係者らに聞いた。

 文科省の「全国的な学力調査に関する専門家会議」で7日、保護者の学歴や年収などが同程度の子どもが通う学校の中で、全国学力・学習状況調査の成績優良校の訪問調査に関する報告があった。お茶の水女子大の研究班が、保護者の年収と学歴から予想される平均成績を大きく超えた「教育効果の高い学校」のうち12校に訪問調査を行ったところ、地方の3校が新聞投書の奨励やNIEコーナーの設置などに取り組んでいた。調査を担った同大大学院の冨士原紀絵准教授は、記事の書き写しなどを通じ文章の基礎を教える学校が多かったと説明。その上で、新聞は書く、話すなどの言語能力を身に付けると同時に、考えを他者に伝え発展させるアクティブ・ラーニングにつながる複合的な学習材として活用されていると指摘する。

 秋田県は子どもに問題意識を持たせ、意見交換する探究型の授業に力を入れている。県NIE推進協議会会長を務める秋田大教育文化学部の阿部昇教授は、1人ではなくグループ、全体という集団の中で課題と向き合う探究型の授業が効果を上げているとし、「読み比べによって物事の捉え方や事実の取捨選択に違いがあることが分かる新聞は、今の子どもたちに求められている学力や、それを育む探求型の学習と親和性が高い」と強調した。

学習意欲向上で相乗効果

 基礎的な力を定着させるために新聞活用を推し進めるケースもある。秋田県横手市教育委は今年から、市内の小中全26校でNIEを推進、各校に2紙を配備する。伊藤孝俊教育長は子どもたちの言語能力を高め、思考する基盤を育てることが狙いだと説明する。「新聞を通じ多くの知らない言葉や事象に触れさせることで、子どもたちが自ら考え、議論するための引き出しを増やしたい。そうなれば子どもたちの学習意欲が高まり、学力向上につながっていく」と言い切る。

 NIEを実践する教師たちも、基礎的な言語能力と発展的な学習につながる新聞の多面的な効果を語る。記事を題材にしたスピーチ活動などに取り組む秋田県横手市立朝倉小の佐々木明人教諭は、「当初はテレビ欄やスポーツ欄を切り抜くことが多かったが、次第に社会の多様な出来事を選ぶようになった」と話す。また、他の児童の発表と関連付けて考える子どもが増えたという。新聞記事から親子で問題を作る「NIEワークシート」を家庭学習で実践する福井県越前市武生西小の無量小路宗洋教諭も、「最初は読むことへの抵抗があるが、作文に書く自分の感想や意見が次第に論理的になっていく」と語った。

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