新聞製作講座に575人参加

仮想化技術の活用広がる(上流)、輪転機省エネ事例を報告(下流)

 第62回新聞製作講座は7月23日、TOC有明(東京都江東区)で開かれ、新聞・通信社やメーカーなどから上流に236人、下流に339人の計575人が参加した。デスクトップ仮想化、輪転機や工場の省エネ事例、広告に求める印刷品質などについて講演があった。

 デスクトップの仮想化は、端末ごとに搭載していたOSやアプリケーションソフトの機能をサーバーに集約する技術。端末の管理業務の負担を減らすだけでなく、システム更新コストの削減、セキュリティー対策といった観点からも近年注目を集めている。スマートフォンをはじめモバイル端末や、機能を簡素化した端末も利用できる。重要性が増す社外からのアクセスにも適している。

 読売はこの技術を活用し、デスクの出稿業務で使用するデータ管理用に機能を絞った小型端末を導入している。東京本社制作局技術一部の橘高慎治氏は、端末が故障した際の対応時間が大幅に削減できるほか、新しい端末を追加する際の作業簡略化、更新時の大幅なコスト削減も見込めると説明した。

 今回の講座では、新聞協会賞技術部門を受賞した技術の実運用についての講演もあった。

 日経からは昨年度受賞の制作共有基盤「NEO」、信濃毎日からは一昨年度受賞の塩尻製作センター「新印刷空調システム」に関し、それぞれ報告があった。信濃毎日のシステムは、輪転機の内側から空調し、排熱や排気をコントロールすることで結露ゼロ、省電力につなげるもの。導入前と比べて消費電力量は1年目は5%、2年目は8%を削減したという。

 「輪転機・省エネへの挑戦」をテーマに講演したのは、読売東京の黒飛陽・制作局技術二部主任。輪転機の待機時間中の節電を試み、大幅な電力抑制につなげた。空調や照明の省エネを進める中、電気料金の高騰に伴う新たな方策として稼働していない時の消費電力に着目したという。黒飛氏は「さらなる節約も可能なはずだ。生産機器の省エネの余地を見つけ、積み重ねていきたい」との考えを示した。

 電通のメディア業務マネジメント室アドプロセスマネジメント部の岩本幸夫氏は「広告紙面に求める印刷品質」をテーマに講演。網点の高精細化や高濃度インキなどの技術の発展で、色の再現性が上がり紙面品質が向上していると述べた。新聞協会推奨制作サイズ「N―SIZE」や日本広告業協会が定めるPDF入稿のガイドライン「N―PDF」の浸透への期待も示した。

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