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多様な考え引き出すNIE 全国大会2日目・特別分科会

 秋田市で開かれた第20回NIE全国大会。2日目の7月31日、学力と新聞活用、NIEとICTの融合をテーマとした特別分科会が開かれた。実践教師や新聞社の担当者らが登壇。多様な考えを引き出す授業では特にNIEが効果的だとの声が上がった。

 「学力と新聞活用~福井、秋田の取り組みから」と題し、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で上位の福井県、秋田県の小中学校でNIEを実践する教師4人が登壇、新聞活用事例を紹介した。

 2014年度の全国学力テストでは、「さまざまな考えを引き出したり、思考を深めたりするような発問や指導」をした学校は正答率がより高いという傾向が出た。実践教師たちは、子どもたちに深く考えさせるための問いや指導に、NIEが効果的であるとの見解を示した。国語科で社説やインタビュー記事の読み比べに取り組む秋田県大館市立田代中学校の佐藤整教諭は、答えが一つではなく多角的に捉えられるような内容の記事を選んでいると説明。「記事の内容をうのみにせず、意見の違いを読み取る力を身に付けさせている」と語った。

 福井県福井市豊小学校の中谷幸子教諭は、課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」が注目される中、「問いに対し自分の考えを発表するには、知識や情報を蓄積させる必要がある。新聞の役割は大きい」と強調。見出し、本文、写真など可視化できるものがあると、子どもたちの議論が進みやすくなるとも話した。

遠隔地連携の実践紹介

 「NIEとICTの融合」では、奈良女子大付属中等教育学校の二田貴広教諭(NIEアドバイザー)が講師を務めた。新聞協会博物館・NIE委員会は13年度からの推進事業5か年計画で、デジタルにおけるNIEの可能性、方法の検討を目標の一つに掲げている。

 二田氏はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使って岡山、京都の学校と3校で新聞を制作した事例を紹介。新聞作りは「伝えるとはどういうことか」を考えさせることができるため、メディアリテラシーを高める優れた実践材料だと指摘。その上で、「ICTを通じて遠隔地の学校と連携すれば、他者との考え方の違いを学ぶこともできる」と話した。

 新聞社もデジタルコンテンツを教材として学校に提供している。朝日・デジタル営業センターの小林章子氏が朝日新聞デジタルの記事や写真を集約したサービス「朝日新聞デジタルselect for school」について、毎日・小島明日奈執行役員「教育と新聞」推進本部本部長が同社の紙面ビューアーと記者やデスクが記事を解説する動画サービス「注目ニュース90秒」について、それぞれ話した。二田氏は、こうしたサービスを用いた実践例も紹介した。配信された世界各地の写真を見て他の生徒と意見交換すること、紙の新聞では手に入りにくい地域面を比較し、価値判断の違いを学ぶことができると指摘。こうした学びは、仮説を立てて他者に自分の考えを説明するなどの点で、アクティブ・ラーニングにもつながると説明した。

 このほか、読み比べや思考力、判断力、表現力の育成などに関する公開授業、実践発表が行われた。

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