1. 日本新聞協会トップページ
  2. すべてのヘッドライン
  3. 新聞協会ニュース
  4. 「独立新聞記者」の理念学ぶ 孤高の新聞展で公開講座 ニュースパーク

「独立新聞記者」の理念学ぶ 孤高の新聞展で公開講座 ニュースパーク

 新聞博物館ニュースパーク、横浜市)で8月1日、開催中の「孤高の新聞『日本』―羯南、子規らの格闘」の関連イベントとして公開講座が開かれた。国文学者で神奈川大名誉教授の復本一郎氏、陸羯南研究会主筆・筑波大講師の高木宏治氏、歴史学者の有山輝雄氏がそれぞれ講演。東奥日報の松田修一編集委員室長が司会を務めた。

 正岡子規の研究者として知られる復本氏は、子規と羯南の出会いや彼らの新聞「日本」に対する思いなどを当事者らの残した文献を基に分析。結核を患った子規が病身の自らと対比して、「日本」の意欲的な取り組みをたたえた随筆などを紹介した。

 高木氏は企画展に資料を提供した陸羯南研究会の成り立ちについて話した。産経新聞編集局長ののち筑波大教授などを務めた青木彰氏と同紙記者だった作家の司馬遼太郎氏は生前、羯南と「日本」の研究を構想していた。しかし、司馬氏が亡くなり実現できなかったことから、その意志を引き継ぐ形で始めたという。「近代日本とジャーナリズムの歴史を振り返る際、長谷川如是閑ら多くの新聞人を輩出した『日本』と創刊者の羯南を知る必要がある」と説明した。苦しい経営が続き、外務省や有力者から得る資金が活動の支えになっていたと紹介し、それが紙面の内容に影響があったのかなどの研究をさらに進めたいという。

 有山氏は、羯南が党派のために意見を曲げたり、読者の人気をとったりするのではなく、言論によって政治や社会に働き掛ける「独立新聞記者」という理念を掲げ自ら実行しようとしたことなどを紹介した。「羯南は主張を読者に分かりやすく伝えようとした一方で、読者に迎合しなかった。このような新聞と読者の緊張関係の在り方は現在に通じるのでないか」と指摘した。

ページの先頭へ