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「表現の自由の乱用だ」 師岡康子弁護士 ヘイトスピーチで講演 マス倫月例会

 マスコミ倫理懇談会全国協議会の10月度例会が10月27日、新聞協会会議室で開かれ、師岡康子弁護士が「ヘイトスピーチと表現の自由」と題し講演した。ヘイトスピーチ(憎悪表現)は差別を扇動し社会的弱者を攻撃するもので「表現の自由の乱用だ」と指摘。メディアに対し、被害者の声や人種差別の実態を伝えてほしいと訴えた。

 「在日特権を許さない市民の会」(在特会)による在日韓国・朝鮮人へのヘイトスピーチが問題視されている。師岡氏は、ヘイトスピーチは社会的弱者への攻撃であり、被害者に甚大な影響を及ぼすと同時に、社会全般におけるマイノリティーへの差別を強めるなどの害悪があると強調。ヘイトスピーチを止めるためには、人種差別そのものをなくす取り組みが必要だが、日本は重要施策として位置付けてこなかったと指摘した。今年5月に人種差別撤廃施策推進法案が参院に提出されたものの、継続審議となっている。同法は人種差別撤廃の基本法と位置付けられる。師岡氏は、施策や担当部署のない日本では、まずは基本法を制定し、施策の前提となる実態調査に取り組むことから始めるのが妥当だとした。

 ヘイトスピーチを規制することが表現の自由の抑圧につながるのではないかとの議論がある。会場からは、表現の自由との線引きの難しさや、過度に規制されることによる危険性などについても質問が上がった。

 師岡氏は、他者の人権を侵害することは表現の自由の乱用だとし、ヘイトスピーチを規制するべきだと指摘。ただ、表現の自由の規制にもつながる可能性があるので、その制約は必要最小限に留める必要があると説明した。他国から学びながら、段階を追って規制に取り組むことが大切だと話した。

 さらに、法案の議論を在特会対策に矮小(わいしょう)化すべきではないと指摘。差別の実態を知らせていくことが重要だとし、メディアに対し、ヘイトスピーチの被害者の声を伝えてほしいと注文した。

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