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紙の新聞で伝える力育む NIE公開フォーラム開催 新聞協会

 新聞協会は11月21日、東京都千代田区の東海大学校友会館で、「育てよう、2030年を生き抜く確かな力」をテーマに初めて一般向けのNIE教育フォーラムを開いた。パネル討議では、企業の新聞活用の取り組みや学校現場におけるNIE実践などが話し合われ、紙の新聞に触れる重要性が指摘された。公職選挙法の改正に伴う選挙権年齢の引き下げに関し、社会の動きを知る上で新聞が有益だとの言及があった。フォーラムは、学習指導要領の改定に向けた取り組みの一環。

 NIEの有用性を広く理解してもらうこと目的として、教育関係者、保護者、新聞販売所担当者らに参加を呼び掛け、130人が参加した。

 パネル討議は「人生を切り開くための学びとは~グローバル化、情報化社会を生きる」をテーマに開いた。登壇したのは、文科省国立教育政策研究所の西川さやか学力調査官、東京都北区立滝野川小学校の関口修司校長(NIEアドバイザー、東京都小学校新聞教育研究会会長)、ファーストリテイリングの寺師靖之・グループ執行役員、詩人で社会学者の水無田気流氏の4人。進行役は、NIE専門部会の濱吉正純部会長(朝日東京)と新聞協会の吉成勝好NIEコーディネーターが務めた。

 社会人に求められる力や企業における社会教育の要点、学校現場におけるNIE実践の現状などをめぐりパネリストが意見交換した。

 寺師氏は、同社が展開するカジュアル衣料品店「ユニクロ」の国内約850店舗の店長に新聞を配布していると説明した。店長は店舗運営の責任者として、店のある地域の情報などを知っておく必要があるという。相手に分かりやすく話を伝える力を育むためにも、新聞や本が適していると語った。

 寺師氏は証券会社の新人時代、毎朝、新聞の読み合わせがあり、そのために通勤電車の中で新聞を隅々まで読んでいたという。就職活動に取り組む大学4年まで新聞を読む必要性には気付かなかったと振り返り、「学校での新聞教育を一層充実させてほしい」と話した。情報の一覧性や携行性などから、紙媒体が望ましいと述べた。

 これを受け、関口氏は小学生のうちに紙媒体に触れなければ、その後なじむことなく育つ可能性が高いと説明した。その上で、紙とデジタルの双方を使える力を育むことが大切だと強調した。

 公職選挙法の改正による選挙権年齢の引き下げについても議論が及んだ。

 水無田氏は「政治的な争点や経済などについて知る上で、新聞は有益だ」と指摘した。関口氏は「授業で模擬投票をすればよいという問題ではない。新聞を通じ、普段から社会の動きに敏感にならなければならない」と語った。

「主体的学びに有効」 品川氏

 パネル討議に先立ち、教育ジャーナリスト・編集者の品川裕香氏が「21世紀を生き抜く力とは」と題し基調講演した。

 品川氏は、次期指導要領の骨格案となる論点整理を取りまとめた中教審の教育課程企画特別部会委員を務める。新聞で社会に興味を持ち、さまざまな考えを知って吟味することは、言葉の適切な使用や規範の順守などにつながると指摘。生きていく上で自分を律するための土台になると説明した。

 さらに、得た知識をどう使うかを身に着けさせることが大切だと説明。課題の発見と解決を主体的・協働的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」の重要性に触れ、子どもたちが新聞を題材に話し合って結論を導いていくNIEの取り組みはそうした学びにつながっていると指摘した。

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