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「公益通報制度改正を」 読売大阪・井手氏 報道への影響で講演 マス倫研究会

 第14期第6回マスコミ倫理懇談会「メディアと法」研究会が4月21日、新聞協会会議室で開かれ、読売新聞大阪本社の井手裕彦編集委員が公益通報者保護制度改正をめぐる議論と報道への影響について講演した。現行制度が改正されなければ「日本の報道機関に内部告発が来なくなる」と訴えた。

 公益通報者保護法は企業などの不祥事を内部告発した人を保護することを目的に2006年4月に施行された。消費者庁の「公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会」が今年3月22日に第1次報告書を公表するなど、公益通報者保護制度は見直しが進む。井手氏は同検討会で委員を務めている。

 井手氏は現行制度にはさまざまな問題点があると指摘する。保護の対象範囲は在職中の労働者に限られており、役員や退職者は含まれていない。公益通報として保護される通報対象事実は457本の法律に抵触する行為に限られている。それ以外の社会倫理に反する行為を告発する通報も多いにもかかわらず、保護の対象にはなっていない。

 また同法は、通報先を①所属する組織②処分権限を持つ行政機関③報道機関やNPOなど―の三つに分け、それぞれに保護の条件を規定している。行政機関と報道機関への通報者の保護の条件は、通報対象事実があるか、生じようとしていると信じられる相当の理由があることが求められる。報道機関への通報はそれに加え、通報によって解雇などの不利益を被ると信じられる理由があるといった5要件のうち一つを満たしていなければ保護の対象にならない。

 井手氏は、5要件はいずれも現実性に乏しく、報道機関への通報者が十分に保護されないと指摘する。五つの保護要件を削除し、行政機関への通報と同様の保護要件にすべきだと訴えた。

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